岩永農林水産副大臣は2月25日、全農改革の方向について農水省の考え方を種市全農会長に申し入れた。
全農に対しては各方面から、全農扱いの品物が一般消費者の目に止まりにくいことから、消費者が不買運動を起こしたり、店頭から製品が撤去されたりといった形での批判にさらされたことがなく、「不祥事が続出してもその場限りの反省に終わり抜本的な改革につながっていないのではないか」との声や「組合員農家にとっても、販売・購買事業を担っている全農がつぶれては困るという意識があり、これに安住して抜本的改革が回避されてきたのではないか」、「自主ルールや手引書を作って法令遵守徹底のための対策を講じているというが、役職員一人ひとりに浸透しておらず実効性に欠けていたのではないか」との批判があると指摘。
そのうえで改革の対応方向として△統合時の条件の見直しを含め統合効果を一層発揮できるような効率的な事業のあり方について検討すべき、△生産資材の価格引き下げ目標、子会社を含む要員等の調整目標を樹立、計画的に実行すべき、△会長直轄組織として経営監視担当部門、経営改革担当部門、取引先や消費者など組織外から直接意見を聞く仕組みを整備すべき、△組合外の目を持つ外部役員を登用すべき、などの事項を申し入れた。
そのほか、消費者への食品の生産流通履歴情報や生産者への事業情報、JAへの経営情報など、一層の情報開示や、全農はJAの販売事業の支援が本務だとの観点や、全農本部機能は、「代金決済、需給情報の提供、資材原料などの輸入に限定すべきではないか」との提言もある。申し入れは2月12日の第3回全農改革委で須賀田経営局長が提言した内容とほぼ同じ。
申し入れを受け、全農は「国民の食を担うJAグループの一員として真に農家組合員、消費者の理解と支持が得られる改革に取り組む」とのコメントを発表した。
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