農業協同組合新聞 JACOM
   
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契約栽培を優先 前倒し出荷促進 (2/3)

 台風や長雨などの異常気象で16年産大豆が不作となり、JA全農などは供給不安を抑えるため早期集荷に努めたが、昨年12月末の集荷見込みは前年比66%の9万7740トンにとどまり、10万の大台割れとなった。
 JA全中・全農・全集連による大豆情報委員会の2月2日発表では、大産地・九州の集荷が激減して前年比45%、次いで北陸も厳しく59%の集荷見込み。
 絶対量の少ない大豆の売り方が同委員会で議論の焦点となり、契約栽培のユーザー向け取り引きを優先させることにした。国産の継続的な需要と今後の生産量を確保するため約5万6000トンを供給する計画。
 前年の販売実績は、入札取引41%、相対取引31%、契約栽培28%の比率だったが、16年産の計画は34%、9%、57%とし、入札取引を約3分の1に抑える。数量は約3万3200トン。
 今後は契約栽培の県別と銘柄別の受け渡し可能数量にもとづく前倒し出荷を進め、供給不安の沈静化を図る。しかし実需者は、は種前から契約栽培の拡大を望んでいて、予定数量の確保は困難となっている。
 不作の中で北海道だけは天候に恵まれて前年の収穫量を上回り、全国的にも、その下支えで品質は余り落ちなかった。全国の検査数量に占める1等の割合は11.9%で前年を約2ポイント下回った。

◆全農 計画的上場

 入札は1月までに5回、計約1万4200トンが落札された。応札が殺到して価格は当初から高値で推移。1月の場合、60キロ1万6000円に近づいた。北海道産は「音更大袖振」など2銘柄が2万円を超えた。
 大手ユーザーの輸入シフトを懸念する全農などは今後、計画的上場で価格安定を図る。消費面では豆腐の場合、原料高の小売価格転嫁は難しい状況。
 一方、委員会では、契約栽培の新ルールづくりを急ぎ、17年産から適用できるようにすべきだ、などの要望が出ているという。
 なお農水省統計では北海道、東北、北陸、関東・東山の収穫量は前年比76%の12万2600トン。作付面積は1万2100ヘクタール減の8万7500ヘクタールとなっている。全国統計の発表は2月に予定されている。

(2005.2.3)


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