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システムの全体像を説明する越塚登東大助教授
(2月4日、日本橋三越本店にて) |
T−Engineフォーラム(坂村健代表・東大助教授、現会員数:475社)は2月2日〜15日まで、東京の日本橋三越本店の食品売場において、生産から店舗までをユビキタスID技術で結んだ『統合型トレーサビリティシステム』の販売実験を行っている。
「トレーサビリティ」とは、生産、処理、加工、販売などの段階で、食品の仕入先、販売先、生産・製造方法などの記録をとり、保管し、食品とその情報を追跡し、遡ることができること。近年、消費者の食品に対する「安全」を揺るがす事件が多発しており、「トレーサビリティ」の重要性がいっそう高まっている。
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精肉売場でキメ細かな説明が |
同フォーラムは、ユビキタスコンピューティング環境の実現に向けた、世界最大の国際的な技術フォーラム。「場所」や「モノ」を自動認識し、必要な情報サービスをいつでもどこでも受けられるユビキタスID技術および組込み・リアルタイムシステムの研究開発、標準化などを検討している。
今回の販売実験では、フルーツ・精肉を対象とした。生産・流通から販売段階までucodeタグを貼付し、トレーサビリティ目的の履歴情報を収集・記録・管理するシステムを運用している。店舗に、店舗内ディスプレイおよびユビキタスコミュニケータを設置し、ucodeタグを読みとることで、その食品の生産履歴や流通情報を閲覧することができる。携帯電話でも、同様の情報を閲覧することも。
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端末による実験(フルーツ売場にて) |
今回の実験のポイントは、超小型RFID採用による最先端のユビキタスID技術を利用し、さらにバーコードや2次元バーコードも利用し、実用化に向け既存のシステムと整合性をもたせたところ。消費者にとって、産地から食卓まで「顔」が見えるいい関係ができつつある。 |