農業協同組合新聞 JACOM
   
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今こそ行動を宣言 共生運動へ新たな発進
−JA全国青年大会 (2/9)

 創立50周年を迎えたJA全青協は、「Go to the Start」(今こそ出発だ)のスローガンを掲げて今年のJA全国青年大会を2月9、10両日、都内で開き、大会宣言では「次代につながる農業のために何ができるのか」と問いかけ、「新たなスタートラインに立ち、議論と実践を自己発信(発進)する、という理念のもと…青年の情熱と協同の力をもって…JA運営への参画、そして次世代、消費者との共生運動を通じ、活力あるJA、地域づくりをさらに進めていこう」と訴えた。
 「JA青年の主張」では6人が農業体験などを発表したが、うち福岡県・JA筑紫青壮年部の石橋利之さんが最優秀賞に輝いた。
 その発表内容には、人間形成へのストーリー性があり、ドラマチックな展開で訴える力が強かった、などの審査講評があった。
 また、どの発表も、食の安全・安心を追求する真剣な取り組みを報告していることに感銘を受けたという消費者代表審査委員の高い評価も紹介された。
 JA青年組織活動実績発表では6人が報告。うち高知県・JA土佐香美青壮年部の西村学さんが千石興太郎記念賞(特別賞)に選ばれた。
 同青壮年部は地域全体に目を向け、漁協と連携して川の浄化を進め、さらに上流の森林で植林や間伐をして命の水を守る環境保全の活動を続けている。
 全体として今年の発表では「主張」の場合、家族農業として野菜などの直売ルートを広げる工夫や、小売店だけでなく飲食店やホテルなどへも売り込む営業努力の体験談が目立った。集団営農による大豆作や、青壮年部員による学校給食の需要開拓もあった。
 「組織活動実績」では、北海道・JA道央青年部江別ブロックの春日学さんが単収を倍増させた小麦と、作付が増える大豆の地産地消を図る中で、小学生の食農教育を推進している活動を発表。審査ではJA土佐香美と特別賞を争った。
 また▽遊休荒廃農地でのソバ作り▽地区の地権者全員の出資で設立した株式会社と青年部による担い手育成と土づくり▽都会の独身女性を農作業体験ツアーに招く企画で花嫁獲得、などの報告があった。
 大会は東京・日比谷公会堂に盟友約1200人が集まり、第1日は全青協の三上一正会長が50周年の節目に当たり「新しい全青協の歴史を切り拓いていこう」とあいさつ。来賓では島村宜伸農相、JA全中の宮田勇会長、日本生協連の藤岡武義常務、JA女性協の峰島歌子会長が祝辞の中で青年部活動への期待を表明。計12人の発表と、全青協の16年度活動報告があった。
 2日目は恒例の「1分間スピーチ」に20人近くが次々に登壇。思いをぶち上げ「発表を聞いて農業に希望を持った」などと語った。「地球温暖化を防ごう」や「ブッシュ大統領の戦争趣味」や小泉改革批判なども飛び出した。
 祝電ではフランス青年農業者組織協議会のベルナール・レイエ会長がメッセージを寄せ、その中で、WTO農業交渉では、関税引き下げ率などを決める12月の香港閣僚会議に向けた連携が重要と指摘し「家族農業の維持に努めよう」と呼びかけた。
 また2日目は、次期の全青協会長候補の藤木眞也副会長(熊本)と、次期副会長候補の平和男理事(北海道)が立候補の決意表明をした。次いで発表作品の審査講評があり、受賞者12人を表彰。このあと大会宣言を採択した。
 なお「千石興太郎記念賞」は産業組合青年同盟の結成に寄与した同氏(1874〜1950年)の名を冠し1993年に設けた。

「今こそ出発だ」と、がんばろうを三唱するJA青年部の盟友たち=東京・日比谷公会堂でのJA全国青年大会 「今こそ出発だ」と、がんばろうを三唱するJA青年部の盟友たち=東京・日比谷公会堂でのJA全国青年大会
「今こそ出発だ」と、がんばろうを三唱するJA青年部の盟友たち=東京・日比谷公会堂でのJA全国青年大会
(2005.2.14)


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