農業協同組合新聞 JACOM
   
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「はし」正しく持つ子は6割
−農林中金が小中学生に聞き取り調査 (2/23)

 農林中央金庫は、食習慣がどう世代間で継承されているかを探る「親から継ぐ『食』、育てる『食』」をテーマに首都圏に住む子どもを対象にした聞き取り調査を昨年実施、このほど結果を公表した。調査対象は、首都20kmから50kmのドーナツ圏に住む小学4年生から中学3年の男女400人。
 おかずとご飯を交互に食べるかどうかを聞いたところ、66.3%が「交互に食べる」と多数派を占めた。しかし、「おかずを1種類づつ食べる」19.8%、「おかずだけ先に食べる」16.8%と「ばっかり食べ」も少なくない。
 ただ、「交互に食べる」という割合は小学生では59.5%だが中学生では73.0%と年齢が上がり社会経験を積むにつれて成熟していく傾向がみられた。
 「食事を残すことはない」という子どもは全体で51.8%。ただ、女子では「残すことがある」が55.5%だった。食事を残すことについて「作ってくれた人に悪い」が44.3%、ついで「もったいない」が37.8%で残すことに罪悪感を持つ子どもも少なくないことが分かった。
 料理や食べ方について誰から学んできたかの質問には「母親」が90%ともっとも多く、ついで「父親」の51.5%でやはり両親の影響は大きい。「先生」は14.3%にとどまっており、食育は学校より両親の影響が大きいことがうかがえる。
 食べものについて守るように言われていることは「食べものを粗末にしない」が58.3%ともっとも多かった。食が豊富な現在でも食べものを大事にするという教えは失われていないようだ。そのほかは「好き嫌いをしない」51.3%、「食卓に肘をつかない」43.0%など。ただ、「食事中に電話やメールをしない」が18.8%と2割近くになり、新たなマナー問題も起きていると農林中金では分析している。また、「みんなと一緒に食べ始める」は10.8%にとどまり、みながそろってから食べ始めるという意識は薄れつつあるようだ。

■父親の参加度が影響

 「はしを正しく持っている」と答えた子どもは58.0%と約6割だった。一方、「はしを正しく持つように」と言われていると答えたのは35.0%だったことから、はしの持ち方をきちんと教えている親も減少し、教え方も十分ではないのではないかとしている。
 「はしを正しく持ち、おかずとごはんを交互に食べる」という子どもは全体で44.5%。こうした基本的なマナーが身についている子どもでは、「食事のときに家族と話をする」91%、「残すのはもったいない」45.5%、「食の安全に関心がある」66.9%、「学校で米や野菜を育てたことがある」66.3%などと意識が高かった。一方、正しい食習慣が身についてない子どもでは、たとえば「食事を残すのはもったいない」は19.8%にとどまるという相関関係がみられた。
 また、父親が後かたづけも含めて食事に何らかのかたちで参加しているのは3人に2人。他の回答との関連を分析すると、父親の食生活への参加度が高い子どもは食に関連する事項への積極性や成熟度が高い傾向が見られたことから、父親の影響は予想以上に大きいと指摘している。

(2005.2.23)



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