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仲間の絆を胸に食肉業界へ旅立ち −(社)全国食肉学校 (3/4)

「諸君のこれからの活躍を期待しています」と挨拶する多田学校長
「諸君のこれからの活躍を期待しています」と挨拶する多田学校長
 (社)全国食肉学校総合養成科第40期生の卒業式が4日、同校大教室で行われた。
 農林水産省、(独)農畜産業振興機構、JA全農など来賓や卒業生の両親が見守る中、式は午前11時、卒業生、教職員の校歌斉唱から始まった。最初に多田学校長が、「卒業生27名は昨年4月7日の入学式以来、総授業日数224日、総授業時間1570時間の課程を終え、今日の日を迎えました。卒業後は、自営、あるいは就職等、社会での活躍が待っています。みなさんが社会に出たとき、常にマーケティングの考え方を基本にして下さい。この視点は、マーケットイン(市場主義)と顧客満足です。この2つを念頭に、事業活動に取組んでください。今日までは先生と生徒。しかし、これからは同じ食肉業界の仲間です。悩んだとき、困ったとき、嬉しかったとき、いつでも連絡してください。卒業生とともにある学校でありたい、さよならのない学校をめざします。これからの活躍を期待しています」と、卒業生に励ましの言葉を送った。
 続いて、学校長から卒業生に卒業証書が授与された。多田学校長が、卒業生一人ひとりに声をかけながら卒業証書を渡していたのが印象的であった。また、優秀賞・技能賞・努力賞の表彰状と記念品が学校長から、農林水産省生産局長賞、群馬県知事賞、独立行政法人農畜産業振興機構理事長賞、群馬県職業能力開発協会長賞の褒章状と記念品がそれぞれの関係者から授与された。
 来賓の農林水産省、農畜産業振興機構の関係者が挨拶した後、卒業生を代表して瓜田智樹さんが、「1年間学んだ技能と、寮生活で培った責任感、鍛えられた精神力で、それぞれの地域で食肉産業の発展のため努力することを誓います。そして、ここで出会えた仲間と、ご指導いただいた各先生方との縁を財産とし、今後も頑張ります」と、答辞の言葉を述べた。
 最後に卒業生全員が前に出て整列し、一人ひとり今後の決意を自分の言葉で表明し、参列者に今後の活躍を誓った。当日は朝から雪で、卒業生にとっては雪の日の旅立ちとなった。
卒業証書を授与する多田学校長 卒業生を代表して答辞を述べる瓜田智樹さん
卒業証書を授与する多田学校長 卒業生を代表して答辞を述べる瓜田智樹さん

 3名の卒業生に、今後の進路、学校で学んだ感想などを聞いた。

○梅田茂憲さん

梅田茂憲さん
梅田茂憲さん
 愛知県の「(株)豚市」にお世話になります。実家が養豚をしており、その手伝いをしていました。ここには、食肉のことを学びにきました。当初考えていたよりも、肉料理を含めて幅広く食肉について学ぶことができ、自分の将来に夢を持つことができました。寮生活では、時間を上手く使う習慣がついたと思います。大変良い経験でした。仲間との生活はとても楽しく、今は去りがたいような気持ちです。


○瓜田智樹さん

瓜田智樹さん
瓜田智樹さん
 卒業後は、姫路市にある妻の実家の精肉店を手伝います。以前はサラリーマンでした。妻の実家を手伝うと決め、ここに来ました。1年間ではありましたが、家族と離れることで、私よりも妻の方が大変ではなかったかと思います。幅広く食肉について学んだことで、精肉だけでなく、飲食を含めた食についての総合的な仕事にチャレンジしてみようとの思いを持っています。あっという間の1年間でした。ここで知り合った仲間との絆を、これからも大事にしていきたいと思っています。


○辮流潤子さん

辮流潤子さん
辮流潤子さん
 神奈川県にある「肉の川上」にお世話になります。実家でハム、ソーセージなどを販売しています。子どものころから両親の働く姿を見たり、手伝っていました。そして、自分でやってみたいと思うようになり、高校を卒業して、ここに来ました。食肉について基本的なことや詳細が学べて、とても有意義でした。寮生活の最初は寂しくて、つらかったです。しかし、周りのみんなが声をかけてくれ、親切にしてくれたのでとても嬉しく、1年間楽しく過ごすことができました。今は、ここで学んだことが、自分の財産になっています。


卒業にあたって決意を述べる卒業生
卒業にあたって決意を述べる卒業生

(2005.3.8)



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