政策審議会の八木会長は答申後の会見で「計画案では、小規模・兼業農家も担い手となる道が示された。食の安全は環境と関わり合っており、その視点で対策を出した。21世紀の日本農業にふさわしい施策の体系を打ち出せたと思う。基本計画が豊かな国民生活の向上につながることを期待する」と語った。また企画部会の生源寺部会長は記者の質問に次のように答えた。
(集落を基礎とした営農組織の育成について)「地域の実情を勘案する」という記述が、これからの議論のベースになると思う。
担い手となる人が増えるように、そのバネとなるような施策の実施を考えた。しかし、担い手の輪を広げて(要件を緩和して)担い手を増やすということではなく、その範囲はきちんとして、その中に入ってくる人を多くする考え方だ。
中に入ってこれるように経営体としての形をしっかり整えてほしい。これは絞り込みではない。農業生産構造の現状を固定的に見るのとは違う。今の構造から変わらなければいけない。集落営農が経営組織として変わっていくことを期待している。今の構造のままで担い手の数が多ければよいという考え方ではない。
WTO交渉の成り行き次第で基本計画の微調整を迫られるという見方については、ウルグアイラウンドを思い出してほしい。あの時は結論が出てから6兆1000億円の対策費を出した。
今回はWTO交渉が厳しい結果となっても、すぐ対応できるようなものを用意した。交渉ごとだから、具体的にはいえないが、国内で対応できるものがある。 |