農業協同組合新聞 JACOM
   
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2月までで1.6億円を売上げ 17年度は売上げ4億円めざす
JA黒石市はリンゴで注目 −全農JAタウン (3/11)

■16年度は2月までで1.6億円を売上げ

 JA全農が進める「JAタウン」は、16年4月〜17年2月までの売上が対前年度比196%の1億5679万円であったことが、このほど明らかになった。
 JAタウンはインターネット上で電子商取引を行う電子商店街で、13年10月に立ち上げた。15年度の売上は8798万円であったが、16年度は今年の2月までで、昨年度の実績を大きく上回る好調さだ。JAタウンを運営するJA全農事業改革・システム推進部(部長:神出元一)JAタウングループは、17年度はさらに売上を伸ばし、4億円を売り上げたいとしている。
 JAタウンの会員数は2月28日現在8万6016人で、15年度末の4万7552人に比べ3万8000人余り増えた。出店数も2月現在で58店舗。16年度新たにJAタウンに出店したのは、JAえんゆう、JA黒石市、JAいすみ、JA西八代、JA北信州みゆき、JA馬路村、JA石見銀山、下郷農協および、和歌山県農協連、全農愛媛県本部の10ヵ所。また、近いうちに2JA、3経済連の出店が予定されている。

■リンゴで売上好調なJA黒石市

 今年度出店したJA黒石市は、特産品のリンゴを中心に商品を揃え、昨年の12月〜今年1月の約2ヵ月間で約1000ケースを売り上げ、リンゴの専門店として関係者の注目を浴びている。特色は商品のラインアップを充実させたことで、選抜『サンふじ』3Kg9個入り4200円、黒石リンゴ『サンふじ』5Kg(18〜20個入り)3800円、『王林』5Kg(18〜20個入り)3800円、『みっくす』5Kg(18〜20個入り)3800円、台風害の家庭用まで10種類以上きめ細かく揃えた。消費者が自分の用途や予算に合わせてリンゴを買いやすくしたことが売上げ拡大につながった。サンふじと一緒に『みっくす』として出した王林は、JAタウンでは単独でなかなか売れなかったが、サンふじに引っ張られる形で売上を伸ばし、「王林がこんなにも美味しいリンゴとは知らなかった」との消費者の声につながった。また、おもしろい試みとしてバレンタインデーに合わせ、サンふじの赤色と王林の薄緑色を組合わせ、化粧箱の中でハート型を作り、贈答用とするアイディアも実行に移された。これは、トライアンドエラーが容易なインターネット販売ならではの取り組みである。
 JA黒石市の試みをJAタウン赤羽リーダーは、「商品写真に統一感があり、消費者の視覚にストレートに訴え掛けてくるものがあると同時に、商品説明の文章が良く、産地の情報が生き生きと伝わってきます。王林は『みっくす』としてサンふじと一緒にしたのが当りました。2種類のリンゴを、斜めに二分する見せ方も良いところだと思います。また、クレームに対しても、自分達が作ったリンゴに自信を持ちながらも、誠意を持って対応したことが、消費者の支持を受けました」と語り、消費者の好みや市場の動向を考慮するなどしながら、売れるための工夫を欠かさないJA黒石市のショップを高く評価している。
 産地(生産者)の情報を、消費者に的確に伝え、消費者の立場に立った品揃えやアイディアは、これから同じように電子商取引をめざすJA関係者に参考になるのではないか。

(2005.3.11)



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