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組織外の監事導入で活発な討議 −第5回全農改革委員会 (3/12)

 JA全農の全農改革委員会第5回会合が3月12日に開かれ、「監査機能の強化」をテーマに集中的な討議が行われた。
 この問題については、小委員会が設置され議論されてきたが、まずその報告案を川口同小委委員長が説明した。
 おもな内容は▽監事には大所高所から経営を監視する役割を期待。職務内容の見直しと、半数以上を組織外監事とすることがその機能を高めるために有意義。▽職務重複を避けるため経営役員会内の監査委員制度は廃止すべき。▽県本部の内部監査スタッフも全国本部に統合し機動力や動員力を高めるべき、▽内部監査部門を経営トップに直結する組織とし権限強化を、▽決算日後3か月以内のディスクロ誌発行など情報開示の充実を、など。
 各界委員からは、経営役員会の監査委員制度の廃止に賛成する意見や、組織外の監事を半数以上とすべきとの指摘もある一方、「限られた出資であるという協同組合の性格を考えれば、組織外監事半数には賛成できない」との意見もあった。
 JAグループ代表委員からは監査委員制度について「学経監事が理事を監査することは難しい。理事の監督は経営役員の任務。監査委員会が一定の権限で理事を指導することは必要」との意見の一方、「監事は総代会で選任され経営役員と理事を監査し総代会に報告するのが任務」との考え方も示された。
 組織外監事のあり方については「組織代表は監査の専門家ではない。外部専門家が必要だが半数を超えるのは問題」、「会員の視点で事業・経営が行われているか監査するのが監事の役割。半数まで組織外とするのは反対」と小委員会報告が求めた組織外監事を半数に、との提言に異論が出た。

●JAの声を聞き輸入ガイドライン検討を

 この日の会合では3月10日に経営役員会で決定した輸入農畜産物取扱ガイドラインについての説明も行われた。
 委員からは、▽「取扱いの必要性は理解する。ただし、該当するものが多いのでは。自給率向上との兼ね合いも懸念。経営役員会の決定は重いがJAや量販店などの声を聞く仕組みを」▽「国産の輸出を柱とする考え方も合わせて整理しなければ組織の理解が得られないのでは」▽「輸入品の総枠を決めると同時に、今後、輸入品を国産に切り替えていく対策を情報公開すべき」▽「生産者の視点に立って取り組んでいくことをもっと明確にしないと短絡的な反感を買う」などの意見があった。
 次回は26日。加藤座長が作成する答申骨子案を討議する。

(2005.3.23)



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