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大豆価格安定へ 全農が契約栽培の価格基準を見直す (4/7)

 国産大豆の入札価格が高騰しているが、JA全農は価格安定のため契約栽培について価格算定基準を見直す。4月7日の大豆情報委員会(全農、全中、全集連主催)で明らかにした。また現行は、入札取引価格に連動する“後決め”方式だが、今後は、は種前に価格まで決めてしまう契約方式も導入する。
 現行の算定は、前月の入札加重平均値(指標価格)を基準に契約栽培価格を決めているが、新しい基準は過去5年間の入札価格を反映させるように改める。
 5年間のうち、最高値と最低値を除いた3年間の平均を取る「5中3」方式だ。
 それでも直近の指標価格に比べ3000円以上の差がつく場合に対しては調整基準価格を設けた。上下それぞれ1500円を、高過ぎた場合は下げ、安過ぎた場合は上げて、調整する。
 しかし産地それぞれに生産と取引の実態が違うため現行方式はそのままとし、新しい方式に変えるかどうかは都道府県ごとの選択制とする。
 大豆の取引には、入札、契約栽培、相対があり、現状は前月の入札取引価格に準じて価格を決めている。
 平成16年産の取引は、契約栽培が71%弱で圧倒的に多い。入札は27%強、相対が2%強(2月末現在)。これは不作で絶対量が少ないため、契約栽培の買い手に対する販売を優先させたためだ。15年産の契約栽培は28%だった。
 なお実需者は、は種前の契約拡大を望んでいる。

◆大豆集荷ほぼ達成へ

 16年産大豆の収穫量は、異常気象のため前年比71%となり、2年続きの不作。2月末現在の集荷数量は約9万2000トンで集荷見込み数量に対し95%弱と、大豆情報委が7日発表した。大部分を集荷するJA全農は最終的に98%に達すると見込んでいる。
 「国産大豆使用」と表示した製品の原料を確保する必要などがあってユーザーが買い急ぐため、全農は前倒し出荷などで価格安定に努め、販売進度は前年を12ポイント上回る72%となっている。
 それでも3月の入札では上場主要銘柄24のうち14銘柄が60キロ2万円を超えた(落札平均価格)。とくに豆腐用などが上がった。
 しかし製品の価格転嫁は見られない。このため原料高に苦しむ中小食品企業などには「もう国産は使いたくない」との機運が出てきており、国産品需要の今後が懸念される。

(2005.4.11)



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