米国産牛肉の輸入再開をめぐる日米政府の実務者会合が4月25日都内で開かれ、米国側は肉質の成熟度や骨から牛の月齢を見分ける方法の信頼性を証明する追加データを提出。また米国ではBSE検査(サーベイランス)を強化しており、さらに、特定危険部位(SRM)の除去も日本と同じ条件で実施することになっていることなどを強調して、早期再開に期待した。
この日は、米国からランバート農務次官補ら政府担当者、専門家が来日し、日本の厚労、農水、外務3省の実務者と意見交換した。日本側は、米国提出の資料を精査した上、日本からも5月にBSEの専門家や政府担当者が訪米して、米国のBSE対策を視察したいと提案し、合意した。SRM除去が適切に行われているかなど、と畜場での処理実態や、飼料規制の状況そのほかを視察する。
会合の後、農水省の担当者は「米国側データの評価は、中身の検討後になる」と語った。また国際獣疫事務局(OIE)は、5月の総会でBSEの安全基準緩和を採択する見通しだが、この問題は同日の会合には出なかったという。
市場出荷される牛のすべてを検査するのが日本の基本だが、米国は限られた頭数だけをサンプル調査するサーベイランスと、SRM除去だけでBSE対策は十分だとしており、同日の会合でも、その立場をまったく変えていなかった。
政府は米国側資料の検討や訪米調査などの結果をもとに輸入再開条件案をまとめ5月中にも内閣府の食品安全委員会に諮問の予定。その前に同条件案について消費者ら一般国民の意見交換会を主要都市で開く。
|