農業協同組合新聞 JACOM
   
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地場農産物の販売拡大が課題 営農指導は「多品目栽培」が柱
−農水省の調査 (5/11)

 全国のJA直売所の年間平均販売は8470万円でそのうち地場農産物の取り扱いは62%、今後は地場農産物の取り扱いを「増やしたい」との意向を8割が持っているなどの結果が、農水省の調査で分かった。
 この調査は、全国の直売所、農産加工場と公立小中学校の学校給食(共同調理施設も含む)での地場農産物の使用状況を調べたもの。地産地消の代表的な取組みとしてその状況を初めて調査した。
 農水省の調査では産地直場所は全国で2982(16年度)。そのうち回答のあった2374直売所の年間販売総額平均は7462万円だった。このうち地場農産物は4759万円で64%を占めている。年間購入者数は1〜5万人未満が31%でもっとも多いが、一方で20万人以上も約10%を占めている。
 直売所の設置主体別の内訳ではJAが1262で年間平均販売額は8470万円だった。57%が5000万円未満、5000万円から1億円未満が17%と合わせて約75%を占めた。5億円以上は0.7%。
 調査では地場農産物の範囲をJAが設置主体の場合はJA管内とし(1県1JAの場合は支所管内)、その地場農産物の取り扱い額は平均額のうち5210万円で62%だった。
 一方、農産加工場(設置主体はJA、農家、農家以外の事業体)は1686あり、回答のあった1107加工場の集計では年間原料仕入総額平均は1億3091万円で、うち地場農産物の仕入平均は1億409万円と79.5%を占めた。また、学校給食で地場農産物を「恒常的に使用している」との回答は76.6%で「使用していない」の14%を大きく上回っている。
 いずれも地場農産物の取り扱い量は3年前にくらべて増えているとの回答がもっとも多く、3年後の意向も「増やしたい」が直売所で80.5%、農産加工場で66.7%、学校給食で76.4%だった。
 
◆課題は品目、数量の確保
 
 JA直売所の登録出荷者数は平均で114.7人。ただ地域差が大きく、九州地区ではもっとも多い213.5人となっている。
 地場農産物を取り扱う課題では「品目数、数量(参加農家)の確保」が77.4%を占めている。同時に出荷者に対する営農指導でもJA直売所の場合、「多品目栽培の推進」が57.1%ともっとも多く、「地域特産物栽培の推進」49.5%、「周年栽培の推進」47.5%と続く。「高付加価値品の推進」は27.9%となっていることからも、地場農産物の品揃えを豊富にすることが直売所の課題となっているようだ。
 同様の課題は学校給食にもうかがえる。
 地場農産物の仕入先では学校給食会47%に続き、JA・全農が43%だった。品目は野菜類がもっとも多く88%で、次いで米が60%、果実類47%だった。
 ただ、使用する側の課題として「量が揃わない」64%、「地場農産物の種類が少ない」53%などとなった。「価格が高い」との回答は27%で学校給食への地場農産物の供給では、量と種類の充実が求めれているようだ。また、「規格が不ぞろいで調理員に負担が大きくなる」も38%あった。

(2005.5.11)


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