農業協同組合新聞 JACOM
   
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「現時点で月齢見直しはすべきではない」 
BSE対策で厚労省に意見提出 日本生協連 (5/17)

◆SRM除去の徹底、積極的なリスクコミュニケーションを優先すべき

 食品安全委員会から「我が国における牛海綿状脳症対策に係る食品健康影響評価」(以下「リスク評価」)が出されたことを受け、厚労省は「牛のBSEスクリーニング検査対象月齢を21月以上とするというリスク管理の変更(案)」についてパブリックコメントを募集しているが、日本生協連(小倉修悟会長)は、5月17日に「現時点でのBSE検査月齢の見直しは行なうべきではない」という主旨の意見を提出した。
 その理由として
1)SRM除去や汚染防止対策がと畜場によってばらつきがあり、具体的な改善の目途が示されておらず、ピッシングの中止をはじめとするSRM除去や食肉汚染防止対策徹底の早期実現を進めることが必要。
2)BSE問題に関する総合的なリスクコミュニケーションが不十分で、リスクへの不安や行政への不信につながっている面があるため、リスクコミュニケーションの推進を十分行うことが必要
3)既にと畜場を持つ全ての地方自治体が、国の補助により全頭検査を継続すると伝えられており、そうした点では、いわゆる“ダブルスタンダード”となり、月齢の見直しが国民にとって判りにくいものとなる、ことをあげ「リスク管理措置として、ピッシングの中止をはじめとするSRM除去の徹底や食肉汚染防止対策、BSE問題に関する積極的かつ十分なリスクコミュニケーションを優先すべきであり、現時点でのBSE検査月齢の見直しは行うべきではない」としている。

◆科学的知見の収集や高度な検査方法の開発を

 さらに今回のパブリックコメントの対象ではないが、リスク管理措置の上で重要と考えられることとして、
1)扁桃はSRMの一つとして含まれているが、舌扁桃が除去されず、食用牛舌として流通しているので、改めて除去を徹底すること。
2)「リスク評価」で、SRM除去や食肉汚染防止対策などに関連して非常に低いレベルの汚染度がもたらす食品影響評価を判断するための科学的知見が限られていることや、若齢牛におけるBSE検査データの不足等についての指摘がされているが、これらの指摘に基づいて、科学的な判断を行うために必要な、現時点での科学的知見の収集・蓄積やより高感度なBSE検査方法の開発等を一層推進するため、目標を定めて積極的に取り組むことなどを要望している。

(2005.5.19)


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