農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース
21世紀の農協運動を拓く「思索」と「実践」讃える
第27回農協人文化賞表彰式が盛大に行なわれる

◆農協運動の灯を高くかかげる受賞者の足跡に感銘

農協協会 中川会長 東大 今村名誉教授
農協協会 中川会長
東大 今村名誉教授
 長年にわたって農協運動の「第一線で苦闘を繰り返しながら、新しい路線の開拓と、事業、経営、組織の改革を目指して、たゆみない思索と実践を重ねてこられた方々に対し贈られる」(今村奈良臣推薦委員会委員長)「農協人文化賞」の表彰式と記念パーティーが、5月25日に東京・大手町のJAビルで開催された。この賞は、農協法施行30周年を記念して、昭和53年に(社)農協協会と本紙の共催で制定されたもので、今年で27回目となる。これまでの受賞者は、今回の4部門10氏を加えて、224氏となる。
 表彰式には関係者ら約110名が出席。中川敞行農協協会会長の開会あいさつに次いで、今村奈良臣同賞推薦委員会委員長(東京大学名誉教授)が推薦経過を報告(別掲)し、10氏を表彰した。
JA全中 塚田常務 農協協会 佐藤副会長
JA全中 塚田常務
農協協会 佐藤副会長
 そしてJA全中の塚田和夫常務理事は来賓あいさつで、受賞者は「事業を通じて、いまのJAグループの運動をつくってこられた。あるいは、組合員や国民に対して、農協とは何か、協同組合とは何かということを示されてきた。これまでのご尽力に深く敬意を表したい」と語った。さらにWTO交渉、基本計画の見直し、JA全国大会決議の実践などJAグループの課題をあげ、これに取り組んでいくうえで「JAは協同組合だということを、改めて心において、未来の運動をつくっていかなければならない。そのために受賞者の足跡とこれからの提言が大事だと思う」と語った。
 続いて受賞者が体験を発表したが、受賞者それぞれが個性に富みながらも、組合員の目線で農協運動・事業に取り組み「21世紀の農協運動の灯を高くかかげている」(今村委員長)ことに多くの出席者が感銘を受けていた。佐藤喜作農協協会副会長が閉会のあいさつをし、表彰式を終えた。

◆新しい協同の姿を的確に示すことが大事

 表彰式後の記念パーティーには約200名が出席。中川会長のあいさつ後、今村委員長が推薦経過を報告するとともに、改めて受賞者を紹介。受賞者一人ひとりに会場から大きな拍手が贈られた。
 次いで、JA全中の塚田常務理事、JA共済連の今尾和実専務理事、家の光協会の柳楽節雄常務理事、川野重任東京大学名誉教授が祝辞を述べた。そのなかで川野名誉教授は自ら経験してきた「嵐の時代」を振り返りながら「これからの嵐の時代は見ていられない。特定の農家を援助してしかるべき自給率を支えることができるのかと思う。集落営農や法人化というが、大変な軋轢がかかってくると思う。農協に余力があるうちに渾身の力をふるって抗議すべきだと思っている」と語り、会場から大きな拍手が起きた。
 さらに、梶井功東京農工大学名誉教授の発声で乾杯したが、梶井名誉教授は乾杯に先立ち「大変な状況だからこそ、どうしたらみんなの力を合わせてこれを乗り切るのかという協同の力を求めている。しかし、新しい協同の姿を的確に示しえていない、そこに問題があるのではないだろうか。受賞者の体験のなかにそのヒントがある。そういう議論をしていきたい」と語った。
 その後、受賞者を囲んで歓談が弾んだが、地方公演をしながら「ごっくん馬路村」をPRしているという津軽三味線グループ「あんみ通」が津軽三味線を披露し、農協愛友会の谷碧氏が中締めをし、また、来年の再会を約して出席者は散会した。
東京農工大 梶井名誉教授 農協愛友会 谷碧氏 JA共済連 今尾専務 家の光  柳楽常務 東大 川野名誉教授
東京農工大
梶井名誉教授
農協愛友会
谷碧氏
JA共済連
今尾専務
家の光
柳楽常務
東大
川野名誉教授

(2005.5.27)



社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。