耕畜連携、資源循環型農業の課題に対し、動物の排せつ物を原料にして作るたい肥の生産・出荷状況を見ると、生産業者の半数は農家だが、生産量は少なく、シェアの4割は畜産業を営む会社が担っているなどの実態調査結果を農水省が6月10日発表した。
これによると、作り手の意向は今後「生産量を維持する」が7割に対し「生産量を増やす」は約2割にとどまった。課題は「価格が安くて採算が取れない」が5割、「施設の維持費用が高い」が4割、「販売が伸びず、採算が取れない」と「設備更新に必要な資金が得られない」が約3割となっている。
調査は昨年10月末までの1年間の状況をまとめた。対象は肥料取締法による届出をしている者のうち動物排せつ物の焼却灰も含めた「たい肥等特殊肥料」を生産している業者とした。
生産量は合計約445万トンで、うち14%はJAなど農業団体が作っている。肥料会社など「その他」は11%と少ない。畜産業を営む会社のシェアは4割近い。
農家の生産量は22%で、仕向け先は「自家の耕地に還元」が22%、「稲わらなどとの交換・無償譲渡」が17%。「販売」は少ない。肥料会社やJAは「販売」が8割以上。
生産方法は、全体として「たい積・切り返し」「自動かく拌機」が多い。
原料の割合は家畜排せつ物がおおむね7割。副資材は「チップ・おが屑」が多い。「その他」では生ゴミなど食品廃棄物が多い。
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