JA全農は秋田県本部と(株)パールライス秋田のコメ不正取引問題で先に懲戒解雇となった県本部長の後任に秋田県総務企画部次長の樋渡公一氏(57)氏を6月24日付で任命した。全農が幹部職員を外部から起用するのは全国本部、都府県本部を通じて初めて。
6月2日に発表した再発防止対策に、県本部の職員以外から本部長を選ぶことを検討するとの方針を打ち出し、その後、外部に人材を求めた。
その結果、組織代表で構成する同県本部運営委員会が、県職員の樋渡氏を推薦するという異例の人事となった。
樋渡公一(ひわたし こういち) 昭和22年10月生まれ。最終学歴は東北大学農学部。46年4月秋田県採用、農林水産部水田総合利用推進課長、農林水産部次長などを経て平成17年5月総務企画部次長。
◆関係職員19人を諭旨解雇などの処分に 全農は秋田問題で先にトップ層の責任者を処分したが、次いで関係職員19人を6月23日付で処分した。全国本部職員5人も含まれている。秋田県本部長はすでに懲戒解雇とした。
今回の処分は、秋田県本部が諭旨解雇2人、降格5人、出勤停止(10〜5日)7人となった。
理由は▽(株)パールライス秋田に約2億5000万円の不良債権を発生させた▽同社の平成15年度決算を粉飾した▽粉飾のために販売委託米を流用した▽15年産米の入札で高値誘導と買い戻しを念頭に応札依頼した▽米流通システム改革促進対策費補てん金を不正受領した−の5点。
全国本部職員では5人が減給〜譴責となった。
理由は、米麦などの県域共同計算の運営指導と、精算結果の把握など、全国本部としての管理指導が不十分であった−としている。
なお全農は、この処分発表に際し「消費者と生産者の信頼を回復できるよう、全農グループ全体で再発防止に取り組む」と、おわびのコメントをつけた。 |