JA全農は、米の共同計算の精算時に販売代金不足や販売対策費の不適正な処理が新たに見つかったことを7月13日公表した。
秋田県本部では、すでに販売が終了した13年産米の最終精算を行ったところ、販売数量と販売代金が合わず、代金不足が明らかになった。秋田県本部では、当時の経済連が(株)パールライス秋田に販売した代金の一部が未入金になっているためとしているが、その他にも不明な点があるため現在合計不足額も含め調査中だという。
また、平成14年4月に県本部がパールライス秋田を通じて販売した玄米1198トンのうち、410トンを販売対策費扱いとして販売代金を回収しないという不適正な事例も判明した。販売対策費額としては1億1900万円になる。
三重県本部では、平成10年に販売先が不明な米があり、約1億2000万円の販売代金不足となっていることが判明したが当時の三重経済連は本来は紛失処理すべきところを帳簿在庫の数量を調整した。このため米販売部門の収支が悪化することから、10年度決算では約3500万円を他部門から振り替えて処理した。しかし、この部門間振り替えはりん議を経ないで処理した不適正な処理だったという。
また、茨城県本部では16年産米入札で卸業者に応札の依頼を行い、落札した卸業者に販売対策費を支払っていた。この販売対策費は昨年9月入札から今年1月入札まで支払われていた。合計で300万円。県本部では卸業者に対して具体的な応札価格の要請はしていないが、これはコメ価格形成センター取引に影響しかねない行為とされている。同県本部では15年産についても同様の販売対策費の支出があったことを6月に明らかにしている。
いずれも共同計算と販売対策費の見直し、子会社管理の強化など適正な対処を徹底していくとしている。
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