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全農の経営管理委候補に内橋克人氏ら5氏推薦 (7/14)

 JA全農は7月29日の通常総代会で任期満了にともなう役員改選をするが、それに先立ち、14日の役員推薦会議では、経営管理委員候補として経済評論家の内橋克人氏らを推薦した。
 今回は、先に打ち出した全農改革案に沿って委員定数を現行の28人から20人へと大幅に削減した上、うち5人を系統外から起用することにしたため、推薦候補も、職業別では、経済評論家をはじめ、弁護士、公認会計士、生協役員、会社役員という異色の顔ぶれとなった。
 現行は28人中3人が員外だが、うち2人はJA全青協とJA全国女性協の会長経験者が選任されている。一方、系統代表15人の中には現職の経営管理委員会会長である種市一正氏も入った。種市会長は全農秋田県本部によるコメ不正取引の責任をとって会長辞任を申し出ていたが、委員候補としては残された。
 このため全農の改革実行策案を発表した14日の記者会見では「田林聰理事長らが総代会を待たずに引責辞任したのに、会長は次期も委員として残るのはなぜか」などの質問が出たが、種市会長は「今後は一生産者(代表)として努力し改革を支援していく。改革(の進展)を見届けてから辞める」などと答えた。
 種市会長は、委員としての続投とは別に、会長職については「続投はない」とくり返し、14日の記者会見でも、それを確認した。
 全農改革案は、監事については定数を6とし、現行そのままだが、常勤の学経監事は現行の5人から2人とし、員外4人のうち1人を常勤、3人を非常勤としたが、推薦会議も、これにもとづき員外から、弁護士や公認会計士を推薦した。

経営役員会長を常勤に全農の改革実行策(案)

 農水省の経済事業改革チームが7月6日にまとめた中間報告は「純粋に系統外の人物でなければ、系統代表経営陣へのチェック機能は働かない」と強調し、具体的に経営管理委員会の構成などを提言したが、全農は、この中間報告や、全農改革委員会の答申などを受けて14日「新生全農を創る改革実行策」(案)を発表した。
 その中で経営管理委員会の改革については、同委員会の会長を常勤とする施策を打ち出した。当面は委員会の申し合わせ事項として今年9月からの実施を予定している。
 また、定数削減にともない、青年部と女性部の代表は「参与」として委員会に意思を反映することにした。
 さらに▽委員会には基本問題委員会を設置して、権限を見直す。また県本部運営委員会のあり方なども検討する▽委員会の統治機能を補強するため、会長の諮問機関として「倫理・社会的責任(SR)推進委員会を設置する、ことなどを盛り込んでいる。

経営役員候補の顔ぶれ

 全農の役員推薦会議が推薦した員外の経営管理委員候補は、▽曽田多賀(弁護士)▽田知本章(公認会計士)▽末吉美帆子(生活クラブ生協理事長)▽内橋克人(経済評論家)▽西森仁志((株)インテグレックス代表取締役)の5氏。

(2005.7.15)


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