食品産業が原料に使う農畜産物は3分の2が国内産だが、食品製造業の場合、「外国産に比べ割高」だとする企業が84%を占めるという食品産業動向調査結果を農林漁業金融公庫が8月23日発表した。同時に調査した平成17年上半期の景況DI(動向指数)は、依然として水面下だが、前回よりも0.5ポイントの改善となり、マイナス16.1。下半期はさらに10ポイント改善し、マイナス6となる見込み。17年の景気見通しは「回復する」が約26%で10ポイント増加した。
今回の調査は18回目で6月30日に実施。対象は約7000社(回答率は38%強)。
原料調達は、国内産の割合が63.4%で1.1ポイント増加した。とくに小売業は3.2ポイント、飲食店は6.6ポイントと直接消費者に販売する業種で増加率が高かった。個人消費の改善とともに、生産者が特定しやすい地産地消の拡大なども要因と見られる。
価格問題では製造業の約半数が、外国産に比べ国内産は1〜3割高いと回答した。そのコストの吸収方法は4割強が「価格転嫁」、次いで「原料の一部を外国産でまかなう」など。
一方「外国産では代替できない」との回答が約3割あった。
景況DIは、売上高DIが悪化したものの、経常利益DIと、資金繰りDIが改善した。業種別では製造業と卸売業で悪化し、小売業と飲食店で改善。中でも生協の改善が大幅だった。
今年の景気見通しは「回復する」が大幅に増えた。リストラが進んだため今後の増産を展望した場合、雇用の不足感も出てくる予想だ。また設備投資もこれまでの抑制基調が弱まる見通しで、とりわけコンビニや生協の出店意欲が活発という結果が出た。
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