水稲などに使うリン酸質肥料の袋やチラシに、腐植酸含有物の使用割合を表示しているのは、肥料の含有成分そのものと誤解されやすいとしてメーカー2社は9月から、表示を腐植酸の含有量に改めた。問題の製品は電気化学工業の「くみあい腐食りん」と、小野田化学工業の「くみあいパワーリン」の2銘柄。
全農は平成16年度に、これらを合計で約1万100トン取り扱っており、ほぼ全県に出荷した。このためJAグループ内に事情を周知している。また表示改善は原料や製法などの変更ではないものの、返品の申し出があれば対応することにした。
まぎらわしい表示は「腐食りん」の場合、昭和55年から、「パワーリン」は平成元年から続いていたが、この問題の指摘が、全農県本部や電気化学工業の内部から出てきたのは最近で、対応が遅れていた。
肥料は保証成分を表示しなければならないが、腐食酸はリン酸の肥効を補助する「その他成分」の中に含まれ、肥料取締法では任意表示となっている。
小野田は「パワーリン」の表示を「腐植酸17%」から「この肥料には腐植酸が約10%含まれています」と改め、また電気化学工業は「腐食りん」の表示を「含有成分‥腐植酸35%」から「含有成分‥腐植酸約20%」に改めた。
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