JA全中と関東地区中央会主催で、関東ブロックの「JAグループ担い手づくりファーム・ミーティング」が9月28日、浅草ビューホテルで開催された。JA職員、県連、全国連の職員約200名が参加。ファーム・ミーティングは全国を6ブロックに分け、9月14日に北海道・東北ブロックを皮切りに全国各地で開催し、今回が第6回目で最終回となる。
ミーティングでは、全中山田専務が情勢報告を行った。「改革が先行し、地域の実態からだんだん離れている。我々は地域農業を支える担い手づくりをめざしており、地域から地域の実態を踏まえた担い手をつくりだすことが求められている。対象を絞り込むような政策では、課題である自給率向上は望めず、地域農業は混乱する。
認定農業者や特定農業団体に加え、出荷を一元化している受託組織、集落営農なども担い手として対象とすべきだ」と語り、高齢化等の進む生産現場の実態に即した政策とすべきだと述べた。
ブロック代表JAからの報告では、JA稲敷(茨城県)、JA足利(栃木県)〈報告内容は文末に掲載〉、JA前橋市(群馬県)、JAくまがや(埼玉県)、JA上伊那(長野県)の5JAから、地域の実態に合った担い手づくりの取り組みが報告された。午後からは、各課題ごとに分散会が開かれ、参加者の熱心な討議が続いた。
農水省は年内にも担い手を対象に、新たな経営所得安定対策の具体的仕組みを決め、年明けに必要な法改正を予定している。10月からの議論では、担い手の基準・要件などが焦点となる。ファーム・ミーティングではJAグループとして地域ごとに育成すべき、めざすべき担い手の姿・形を積み上げ、政策提案を決定すると同時に、実現に向けた運動を今後も展開することにしている。
【報告事例】
○JA足利
担い手づくりは、▽認定農家の育成、▽農作業受託組織を中心とするシステム化、▽新たな集落営農組合設立、を基本方針とし、とくに、当面の新たな経営安定対策に対応するため、麦・大豆の生産農家がもれなく所得保障されるよう、認定農家や生産組織への面積集約と一元化の具体的手法を検討する。
将来に向けた営農維持の必要性を認識している「中里」集落をモデル地区とした。同集落内はすべて市街化区域で、住宅地に田畑が点在する。そのため集落内の農家により集落営農組織を設置し、営農維持を図っていくことを確認、本年4月に『中里営農組合』を設立した。
「担い手要件に面積を入れるのは間違いではないが、市内には非常に狭い農地がつづく地帯もあり、市町村単位での認定も必要と考える」(同JA)。 |