農業協同組合新聞 JACOM
   
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品質向上を支援 畑作価格など決まる (10/7)

 政府は麦、大豆、甘味資源など畑作物の平成18年産価格と関連対策を10月7日決めた。生産コストが下がっているため価格も下がったが、関連対策で、これを補い、生産者手取りはは現行水準を確保した。19年産からは麦、大豆、でん粉原料用バレイショの4品目が品目横断的な経営安定対策(日本型直接支払い)に転換するため、関連対策を充実させておきたい与党と、それを抑制したい財務省との調整が焦点となり、品質向上支援を強く押し出す内容の措置となった。

 ==麦==

 小麦は麦作経営安定資金が4ランクとも60キロ当たり40円下がった。品質向上支援対策はAランク1等が270円相当となった。
 需要を大幅に上回る超過麦には麦作経営安定資金を支払わない案が出ていたが、18年産は現行通りとし、品目横断的政策に向けた議論の中で検討することにし、また、は種前契約の徹底を図ることにした。
 18年産は全量が民間流通に移行し、政府買い入れがゼロになる見込みで、廃止が検討課題になっている。

 ==大豆==

 大豆は交付金単価を60キロ当たり30円下げたが、「担い手支援・良質大豆生産誘導対策」を30円上げて補った。価格下落時に8割を補てんする大豆作経営安定対策は生産者と国の拠出率を現行通りとした。高品質畑作大豆の契約栽培を推進する措置は60キロ1000円を維持した。
 大・中粒品種のうち生育不良で小粒化したものを非銘柄大豆として交付金の対象から外す案については、19年産に向け、検討する。交付金は品目横断的政策にを吸収される。

 =甘味作物=

 テンサイの最低生産者価格をトン当たり80円下げた。また農業経営基盤強化特別対策を削減。その代わりに「テンサイ生産構造改革特別対策基金」を15億円造成する。品目横断的政策へ移行する期間、この基金を産地構造改革に活用する。
 サトウキビは最低生産者価格をトン当たり20円下げた代わりに農業経営基盤強化特別対策を同額上げた。糖度と単収の伸びが平均以上の場合に交付。また「サトウキビ増産プロジェクト基金」として2億4000万円を措置した。

 =でん粉原料=

 バレイショとカンショの取引指導価格をトン当たり60円下げた代わりに農業経営基盤強化特別対策を60円上げた。でん粉専用品種を導入した場合に交付する。
 バレイショの契約栽培を促進する対策と、カンショ生産特別栽培は、それぞれ現行を維持した。
 バレイショでは「でん粉工場低コスト廃水処理緊急対策」を拡充。工場の環境対策として低コスト廃水処理技術を実証する取り組みなどを支援する。

(2005.10.11)



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