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農政.農協ニュース |
今月に担い手基準 −JAグループ、多様な担い手を要請 〈基本農政確立対策全国代表者集会〉 (10/19) |
基本計画の具体策の検討では、品目横断政策の対象となる担い手の基準が最大の課題で、現在、自民党農業基本政策小委員会が議論している。今月末に骨子案をまとめ政府・与党としての方針を決める。 こうした情勢のなか、集会には全国から前回を上回る約1000人のJA関係者が集まり、自民、公明の与党国会議員も多数駆けつけ壇上を埋めた。 宮田勇全中会長は「担い手の基準が極端になれば米の計画生産に影響するなど現場は混乱する。自給率向上にも支障となる。 継続して発展させるには地域と一体になった改革が必要で実態に即した多様な担い手が施策の対象となるよう基準を決めるべき」と訴えた。また、品目横断政策に移行しても手取り水準は現行が確保されるべきことや米価下落で担い手の経営が厳しいことから、米では最低の所得補てん政策が必要なことも強調した。 茂木守全中副会長は代表要請で、▽「地域で作り上げる実態に即した担い手」を施策の対象とすること、▽現行手取りが保障され、将来的にも安定する品目横断的政策の仕組みとすること、▽「担い手」の経営所得の安定を支える万全のしくみを確立すること、などの重点要請を行った。 また12月の香港閣僚会議に向け重大なヤマ場にさしかかっているWTO農業交渉についても▽上限関税の断固阻止、▽センシティブ品目の十分な数の確保と柔軟な取り扱い、▽特別セーフガードの堅持、を求めた。 これに対して自民党総合農政調査会長の谷津義男氏は「自給率向上のため多様な担い手が各地で取組を行うことが大切だ。ただ、品目横断政策ではバラマキ批判にならないよう留意する」と話し、同党農業基本政策小委委員長の松岡利勝氏は「大きい人も小さい人もすべて受験資格をもってもらう。1人でだめなら2人、3人で力を合わせて受験資格を持つ。機会は均等。地域の実情に応じて将来の大きな発展をめざそうということ。政府、党、団体の綱引きではなく連携が必要」などと述べた。 また、公明党政務調査会長の井上義久氏は「日本の気候的、地形的特色から、できるだけ幅広く対象として施策で後押し、理想的な担い手になってもらうことが大事だ」と、日本農業の特性を考慮する必要性を強調した。 集会ではJA菊池(熊本県)上村幸男組合長と青森県JA女性組織協議会佐藤あき子会長が決意表明した。 上村組合長は「JA出資の特定農業法人を設立し、担い手対策にも力を入れてきた。耕畜連携もめざしている。大切なことは地域への配慮。地域農業の改革が改革の近道だ。実態に即した担い手を、なんとしても認めさせよう」と呼びかけた。 佐藤会長は「地元弘前ではリンゴと米の複合経営が多い。米づくりは1ヘクタール以下が8割を超える。画一的な担い手絞り込みでは米づくりがなくなる。今の米価水準では規模拡大もできない。地域農業を維持し、日本農業を守るため担い手基準の緩和が必要」と訴えた。 担い手問題、WTO農業交渉がヤマ場を迎えていることからJAグループは25日にもパストラルで代表者集会を開催する予定だ。 |
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(2005.10.21) |
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