農水省は鳥インフルエンザ対策で決めた防疫指針に弱毒タイプ防疫指針を新たに加える。
今年6月から茨城県で発生している鳥インフルエンザは弱毒タイプだと判明しているが防疫措置としては強毒タイプに準じて殺処分が行われていた。
ただ、発生農場で抗体陽性が確認されても、ウイルスが検出されなければ直ちに殺処分することはない。そのため夏にはウインドレス鶏舎を対象に、抗体陽性のみが確認された場合は、隔離のうえ抗体を持っていないおとり鶏を鶏舎に入れて、感染の有無を確認する農場監視プログラムを導入することを決めていた。おとり鶏に感染が確認されればウイルスが農場に存在するとして殺処分に移る。
しかし、ウインドレス鶏舎のみを優遇することに現場からの批判もあり、今回、開放鶏舎も含めて、一定の衛生条件を満たした場合は監視プログラムを導入できることにし、これを弱毒タイプの防疫指針として加えることにしたもの。
農場が備えるべき衛生条件は▽鶏舎ごとに飼養担当者を決めている、▽鶏舎に入る前に着衣、長靴などの消毒を行っている、▽飼料運搬車両、卵の出荷業者などの衛生管理も行われている、など人間にウイルスが付着して感染が広がらない措置が柱になる。
11月24日の食料・農業・農村政策審議会家畜衛生部会で了承され、今後、生産者団体の意見も聞き11月30日に家畜衛生部会を開催して正式に決める。新たな防疫指針は来年から適用となる見込み。
茨城県での発生は9月8日の31例めで終息するかと思われたが、10月31日に32例めが発生して以降、11月22日までに4例が発生している。専門家は、かなり特殊なウイルスによるもので、「野鳥などが運んだものとは違うという見方を強めている」(農水省)という。この日は第5回感染経路究明チーム検討会も開かれたが感染経路は不明で、人や車両などの調査を進める必要があることが確認された。
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