| 11月25日に肺炎のため106歳で逝去した近藤康男東大名誉教授（農文協名誉会長）のお別れ会が12月12日、東京・青山葬儀場で開かれ約400人が参列した。
お別れ会では、自らの生い立ちを語った生前の講演テープの一部が流され故人を偲んだ。
弔辞では梶井功東京農工大学名誉教授が故人の『農業経済論』が「戦中の言論圧迫のなかで屈辱的に圧縮させられたということを私たちは忘れてはならない。70冊を超える先生の著作は学会の貴重な財産。研究は調査から出発するという学風を慕う多くの仲間とともに今後も研究を続けていきたい」と述べたほか、全農林の丸山建藏中央執行委員長が「真摯な態度と飾らない人柄が敬愛されていた。すべての国が自給すれば戦争はなくなる、食料自給こそ平和の基礎という言葉を忘れずに引き継いでいきたい」と述べた。
また、農文協常務理事でもある今村奈良臣東大名誉教授は、修士論文の審査が終わったのち「君たちは今日から同じ研究者、競争相手となった。私を乗り越えて進んでいってほしいと言われ強烈なハンマーで頭を打たれたような思いをしたことが忘れられない」と振り返り「理論家、調査マン、行政マン、編集者、さらに日中農業交流のパイオニアと先生には多彩な顔があった」と業績を讃えた。
喪主の近藤淳氏はあいさつで「106歳という高齢でしたが、父は一家の大黒柱でした」など家族の思いを語った。
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