(独)農畜産業振興機構はこのほど、「学校給食における地産地消に関するアンケート」の調査結果を公表した。このアンケートは、学校給食における地場農産物利用の現状および課題を明らかにすることを目的に、今年8月〜9月にかけて全国の学校栄養士(栄養教諭)988名に質問し、977名から回答を得た。
調査対象者が担当している学校給食のうち、単独校方式は523ヵ所(53.5%)、給食センター方式は432ヵ所(44.2%)。単独校方式の91.8%、給食センター方式97.2%が地場農産物を利用している。一方、利用しない理由としては「必要な量が確保できない」、「多品目の品揃えができない」、「連携できる組織がない」などの回答があった。また、現在利用していないが、ほぼ回答者全員が今後は地場農産物を利用したいとの意向を持っている。そのためには、地場農産物利用を推進するための体制・組織が必要だとも考えている。
学校給食に利用されている地場農産物のトップは野菜、以下米、果物、牛乳、加工食品・調味料等、肉、卵、魚、豆、麦類と続いている。地場農産物を使った経緯は、「行政の働きかけ」がもっとも多い。また、利用する理由は、「新鮮、旬の食材」がもっとも多く、「安全・安心な食材」、「食材の生産等教育効果が期待できる」、「地域で学校給食への理解が深まる」と続く。
アンケートの最後に、学校給食での地場農産物利用を進めるためになにが必要かを聞いたところ、▽地域の実情に詳しい専門のコーディネーターの設置、▽生産者やJA、学校が話し合い、地場農産物利用の年間計画を作成し、計画的に実施する、▽関係者が連携して、地場農産物を利用した新たな学校給食向けの商品開発を行う、▽近隣市町村が連携して、地場農産物の広域供給体制を構築する、などの意見があった。
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