12月13日から始まったWTO香港閣僚会議に向け、同日、広範な農業団体が結集して、現在の農業交渉は大多数の加盟国の声が反映されていないとして、上限関税の拒否や、センシティブ品目、特別品目の十分な確保などを求めた共同宣言を採択した。
共同宣言に署名したのは、G10の農業団体のほか、G33、EU、米国、ACP諸国、インド、カナダの農業団体で合わせて43か国、地域にのぼった。
宣言で、世界市場で貿易されている農産物は実際には全農産物の10%未満で、貿易拡大によって「利益が得られる国はごくわずかである」と強調。
G33、G10、ACP諸国、EUで全加盟国の約9割を占める128か国が表明している農業への懸念が、一部の輸出国の貿易拡大への関心より優先されるべきだと主張している。
そのうえで、▽上限関税の拒否、▽品目ごとの特徴をふまえた適切な水準の関税確保、▽十分なセンシティブ品目と特別品目(途上国)を自ら選択可能とし関税削減、関税割り当ての十分な柔軟性の確保、▽輸出向け農産物についてのすべての形態の支持に対する厳格な規律づくり、▽非貿易的関心事項に対応するため貿易を歪曲しない支持は使用可能とすること、などを宣言した。
また、今回のラウンドが市場アクセス・ラウンドではなく「開発ラウンド」であることや、すべての国が国民の食料と農業に対する懸念に、「確実に対応する権利を持つ」ことも強調した。
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