JA全中は12月15日に第4回の販売事業等検討委員会を開催し、JAグループの園芸販売事業の改革についてまとめた。
委員会では、園芸は卸売市場を中心に多様な販売が行われ、直接販売(直販)についても多くの形態があり、直販については、「卸売市場への無条件委託販売」に対置するものとして位置づけ、直販の強化・拡大を図り、ニーズに合わせた生産への誘導を促進することを確認した。
直販にあたっては、品揃えや周年供給の観点から、一定の生産規模を確保するとともに、営業機能や債権管理など市場販売では市場に依存している機能をJAグループ内で行う必要があることを強調。また、経営資源をJAグループ内で有効に活用する観点から、全農(県域、全国域)、経済連での機能発揮の方向をめざす。
■加工・業務用野菜の取組み強化
輸入野菜対策で、全農として加工・業務用販売の取組みの強化が強調された。統合全農として直販施設投資を含めた『直販事業拡充戦略(計画)』を18年度上期までに策定。
JA、県域では直販を中心に、▽販売チャンネルごとに組合員の生産組織を再編成し、それらの部会に対して異なる手数料を設定する、▽市場販売を行う部署と直販を行う部署を分け、その扱いに応じて異なる手数料を設定する、などの取組みを通じて、機能別手数料を設定する。また、全農青果センターでも、JA・県域の多様な販売形態を促進、支援する観点から、機能別手数料を設定する。
直販のうち、事前に数量・価格の設定が可能なものについては、委託販売から買取方式に変更する。JAから買取る方式の他、生産者から直接買取る方式も導入する。また、全農青果センターでも、買取りによる取り扱いを拡大する。
全農県本部と全農全国本部の間には、事業上の連関性が少ないことから、統合した全農として事実上の「本所的な機能」は果たしていない。市場流通の変化や青果物需給の変化で、あらためて統合全農としての本所機能の発揮が求められている。統合連合全農の本所として果たすべき機能としては、▽直販事業拡充戦略の確立、▽卸売市場の代金回収・債権管理の一元化、▽政策対応や県間連携対応の強化、▽消費拡大の取組み、を上げた。また、本所運営にあたっては、機能の明確化と機能に応じた負担を基本とし、県本部、直販会社、関係県連、県域JA等がそれぞれ負担する。県本部、県連が負担する経費のうち必要なものについては、JA・生産者に負担を求める。
JAグループは直販機能の強化によって、▽より消費者に近い販売ルートの確立、▽機能別手数料の設定、▽買取方式の導入等の実施、などにより販売事業の黒字化を図る。また、販売事業の機能強化に必要な体制の整備、JA・県域の重複業務の排除やアウトソーシングなど効果的な事業運営を通じて、JAグループの販売事業の黒字化をめざす。
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