JA全中は12月14日に第4回の販売事業等検討委員会を開催し、JAグループの米穀販売事業の改革についての方向を整理した。
米販売事業における系統結集については、全農の販売機能強化、共同計算の見直しを通じて、全農・経済連利用が機能的にも有利となる状況(販売ネットワークの活用や代金回収、物流など)をつくりだし、「機能」を中心とした系統結集を図るとした。
■販売対策費を廃止、共同計算経費を20年産までに2000円/60Kg以内に
特に共同計算は米の通年販売を実施する上で欠かせないものとの認識に立ち、産地・銘柄ごとの共同計算を基本に改善を進める。
具体的には、▽項目の限定と集約化、▽費用項目の単価設定と削減目標の設定、▽集荷段階で生産者への予定価格の明示、▽協同計算結果の監査・調査の導入、▽協同計算結果を生産者へ通知・開示の徹底、などの改革を行う。
また同時に、販売対策費の廃止など協同計算の費用項目限定と集約化等を実施し、共同計算経費を現行の3000円/60Kg程度から、20年産までに2000円/60Kg以内で可能な限り低い水準に抑え、農家手取りを増やすことに努める。
全農でも、機能に応じた手数料を設定する観点から、一般相対取引などの委託販売形態ごとに手数料を設定する。また、実需者との数量・価格等が事前に契約でき、ルートが特定される米穀については、一部のJAから直接買取る方式も検討する。
米の委託販売手数料については、JAグループ全体で定額制に移行する。統合全農の委託販売手数料については、全国本部・県本部手数料の二重構造を解消し、一体で設定すると同時に、手数料総額の1割程度の統合メリットの還元措置を実施する。JAの手数料については、統合全農の手数料の見直しを生産者に還元することを基本に、定額制に移行する。
麦については、食糧法に基づく政府買入・売渡の仕組みはあるものの、17年産麦から100%民間流通へ移行。今後の対応は、品目横断的経営安定対策に係る助成金処理と、麦事業は切り離して対応することを検討。また、品目横断的経営安定対策導入に伴う流通コスト助成の見直しに対応し、集荷・販売に係る手数料は定額で品代から徴収する。協同計算コストは、▽販売対策費の廃止、▽手数料水準の見直し等により目標を設定して削減を具体化する。 |