JA全中の経済事業改革中央本部は第14回委員会を12月22日に開催し、既報のように販売事業等検討委員会が取りまとめた「JAグループの販売事業の改革について」などを基本的に了承した。
また、今年10〜11月に全農全国本部と実施した県域ヒアリング結果についても報告された。このヒアリングは、▽16年度拠点別・JA別収支状況▽17年度上期の改革実践状況および17年度下期の実践計画について、収支状況を評価する「定量評価」と改革実践状況を評価する「定性評価」項目を定め、JA別の進捗状況の確認を行なう総合評価で、今回が初めての試みとなる。
定量評価(16年度収支)は、キャッシュフロー(CF)段階、共管前事業利益段階、純損益段階に分けて評価したうえで進捗率評価を行っている(物流の場合はコスト調査の実施)。定性評価は、▽県域の提案実施状況、JA改善策定状況▽JA改革案期間決定状況▽拠点再編状況(農機、SS、Aコープ)▽物流コスト実態▽運営改善実施状況について評価。そのうえで、定量・定性をあわせた総合評価を行い、それを県別・事業別に集約した。
表は、事業別の総合評価をまとめたもので、「A」は進捗率70%以上(改革実践中)、「B」は同50%〜70%未満(県内半数以上のJAの改革実践が認められる)、「C」は同30%〜50%未満(改革実践が進みつつある)、「D」は同30%未満(早急な改革が必要)という評価だ。
個別に見ると、農機(総合評価C)は収支(定量)はCとなっているが、拠点再編など定性評価は半数以上で改革実践が進んでいるBとなっている。SS(同B)は、定性・定量ともB。Aコープ(同B)は定量はC、定性はB。物流(同B)は定量(コスト調査の実施)は42県域中26県域で実施率Aランクとほぼ実態調査が完了しておりAとなっているが、定性はCとなっている。
県別にみると総合評価が各事業ともほぼ同様な進捗状況にある県域もあれば、物流はAランクでも農機でCランクなど事業によって進捗状況が異なる県域もある。この結果について委員会では「拠点事業については拠点再編など定性評価でAランクもでてきているなどそれなりの成果がでてきている」と一定の評価をしている。しかし一方でC、Dランクに止まっている県域もあるため「中央本部としてもう一段のてこ入れが必要」としている。
◆担い手支援策を次回に集中協議
また、中央本部委員会では、12月8日に全農が農水省に提出した「改善計画」(新生全農を創る改革プラン)で打ち出された「担い手支援」についても協議されたが、次回(18年1月予定)の第15回中央本部委員会で全農の担当役員を加えて「担い手への経済事業対応の具体策」を集中的に協議することにした。
なお、次回には「基本方針(経済事業改革)」の改定とその具体策の改訂も協議する。
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