JA全農の子会社(株)組合貿易が中国から輸入した有機質肥料の3銘柄に化学肥料の成分が混入しているとわかり、同社と全農は3月18日「これらを原料とした配合肥料の回収に全力を挙げている」と発表した。3銘柄は肥料登録の上から全量が有機質でなければならないが、2銘柄から塩化アンモニア(塩安)、1銘柄からは、ほかに、基準値を上回るカドミウムも検出された。
組貿が輸入した原料は、全量を全農が買い入れ、各肥料メーカーに販売しているが、すでに製品化されて、JAや農家に出荷された分もある。しかし全農肥料農薬部は「すべてが水稲用の元肥であり、まだ使われていないため、連絡を徹底して回収し、春の施肥に間に合うよう国産の代替品と交換する」としている。
問題の肥料は「粒状綿実粕7号」「同8号」と「粒状有機肥料6−1−1」。 全農は以前から独自に実施している肥料成分の分析で、わたみ油かすの肥料から塩安を検出。3月10日に報告を受けた農水省は、すぐに港湾倉庫なども含めて立ち入り検査をし、「6−1−1」からは基準値以上のカドミを検出した。
これらを生産したのは中国の天津市にある工場なので、全農と組貿は調査におもむき、同工場の原料仕入れ先が原料品の成分を高めるために塩安を入れたことをつきとめた。カドミについてはまだ不明であるため、塩安混入の詳細と併せて原因究明を続行中だ。
全農と組貿は「今後、再発防止のため、分析項目を増やすなどチェック体制をさらに強化し、品質管理に万全を期す」方針。
なお検査対象は昨年12月から今年2月にかけて輸入した7号と8号、昨年10月から今年1月の「6−1−1」で合計836トン。すでに輸入は止めている。 |