謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年は、さまざまな場面で「改革に向けた胎動から、一歩外に踏み出した年」であったと思います。政治においては9月に小泉政権から安倍政権へとバトンタッチされ、経済でも景気拡大がいざなぎ景気を超えるなど新たな局面を迎えました。また日本農業も新農政への転換が本格的に始まるなど、大きな転機となる一年であったと思います。
我々農機業界では昨年、近年にない業績の落ち込みを経験し、ただならぬ試練を迎えたと感じています。しかし、これを「天の啓示」と前向きに受け止め、日本の農業・農村・農政はどのようにあるべきなのか、また我々農機業界はどのように対応すべきなのかを真摯に考えるチャンスにめぐりあえたと、捉えてよいのではないでしょうか。
新しい農政が本格展開され農家の二極化が一段と進展するなかで、農機業界が果たすべき役割は、新たな担い手層の育成支援と、小規模兼業農家層にも安心して農業を続けて頂けるための支援であります。
その中で、忘れてはならないのは日本農業を維持継続し、強くするためには日本農業の「強み」をさらに活かす取り組みも必要だということです。強みとは、視点を変えれば弱みの中に見出すことができます。すなわち「(規模が)小さい、(耕地が)狭い、(値段が)高い」という日本農業の弱点も、見方を変えれば「目が良く行き届き、丁寧で精緻な農業ができるお陰で、値段は多少高くても、安全でおいしい農作物を作ることができる」という強みに変えることができるわけです。我々もこのような日本農業の強みをサポートしていく機械を提供していきたいと考えています。
以上、新年にあたり所感の一端を申し上げました。 最後になりますが、今年一年、農家の皆様並びに業界各位のご健康と益々の発展を祈念し、本年も変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶とさせて頂きます。
(2007.1.4) |