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シリーズ 地域が変わる、人が変わる、組織が変わる――ファーマーズ・マーケット |
◆240坪のスペースに多彩な県産品が
店内には余裕をもって平台が置かれ、「日本で収穫できるものはすべてある」とさえいわれる広島県産の多彩な農産物や加工品が並んでいる。通路はカートが余裕をもってすれ違えるスペースがあり、子ども連れでも楽に買物ができると好評だ。
野菜コーナーには、トマト、ナス、キュウリなど定番商品だけではなく、「ピー葉」(ピーマンの葉)や「花オクラ」、「芋つる」など、消費者にはあまりなじみのないものもある。こうした商品には調理の仕方や食べ方のレシピが添えられている。買物に来ていた主婦は「珍しいものだし、レシピがあるから買おうという気になりますね」とピー葉を2袋カゴに入れた。
この「とれたて元気市」は昨年10月6日にオープンして1年が経った。県単位でのファーマーズ・マーケットは全国でも珍しいが、その設置目的を企画段階から立ち上げまで携わってきたJA全農ひろしま総合対策室の坂本和博営農対策課長は「地産地消運動の実践として、各JAの参画による『JA交流ひろば』を設置することで、農産物の産直ルートの開拓と、消費者と生産者の交流をとおして、『食』と『農』の距離を縮小すること。そして農業所得の向上によって地域農業の活性化とJAのPRをはかる」ためだという。
◆集客力の強化と品揃えの充実が課題 現在の登録生産者数は34JA(旧JA単位での登録もある)628名だ。昨年10月のオープン時には368名だったから260名増えたことになる。9月の1日平均売上げは約40万円、来店客数は350人。オープン時に比べると減少しているが、今年4月以降の推移をみると着実に売上げも客数も増えてきている。だが、「元気市」の責任者である三宅弘道JA全農ひろしま農産課直販係長は「目標は1日1000名の来店者、1000名の生産者登録、1日100万円売上げだから、まだまだ」だという。そして目標達成のための課題は「集客力の強化と品揃えの充実」だとも。 ◆登録生産者を増やしニーズに応える こうした要望に応えるには「少量多品目の生産拡大と登録生産者を増やし、品揃えを充実させる」ことだと三宅係長。特に「広島市近郊の生産者を増やして軟弱野菜など基本的な部分をだしてもらい、離れた地域からは、その地域の特徴ある農産物を旬の時期に出してもらうことで、スーパーにはない品揃えをしたい」と考えている。そして、生産者も消費者も巻き込むようなイベントを定期的に開催し、チラシや広報などで認知度を高めることで集客力をアップすることも計画している。
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