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生協との事業提携と全農の役割 |
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安全・安心は食べ物である以上、当たり前のことで、これからのキーワードは「新鮮・健康・美味しさ」だといわれている。野菜や果実でそれを実現するためには産地から食卓まで温度管理されたコールドチェーンの実現が必要だともいわれている。全農首都圏青果センター東京は、いち早くそれを実現した施設として注目されている。そして、その機能をもっとも活用しているのが、生協連合会のコープネット事業連合だといえる。長い間、全農との提携を担当してきている深澤米男コープネット農産部長に、これまでの取り組みとこれからの期待を中心に聞いた。 |
◆全農の商品調達力に期待し30年余の関係が
コープネットとの取り引きは、センターが昭和43年に全販連東京生鮮食品集配センターとして設立された2年後の昭和45年の都民生協、その2年後に東京生協(両生協が合併しコープとうきょうに)がセンター内に事務所を設置してからと長い歴史がある。 当時の生協はまだ鮮度管理や商品調達力が弱かったこと。産直も適地(季)適作ではなく、生協組合員などの紹介で付合いが始まった地域で採れるものを「顔が見える・履歴が分かる」ということだけで、すべて「産直」として仕入れるなど「一極集中していたので、時期がくるとまったく商品がなくなる」という事態になった。しかし、共同購入では事前に注文をしていることを前提に、組合員は今日は何を作ろう・食べようと決めているのに、その食材が届かない(欠品)ことは許されないことだ。こうした「欠品を絶対に起こさない」これが「全農と付き合うキッカケになった」と深澤部長は振り返る。 現在、センターは全国約400JAから生鮮野菜や果実が入ってきているが、そうした商品調達力が評価されたわけだ。 コープネットの農産商品政策の基本的な考え方は、「ごく普通の消費生活をおくるために、必要に応じて“より良い商品を少しでも安く”提供し組合員のふだんの暮らしに役立つこと」だ。そのために「全農の強いところはやってもらうが、全農の弱いところは他のパートナーとやる」という。果実では、リンゴは全農だが愛媛のミカンは仲卸からというようにだ。 ◆10年以上前からトレーサビリティを 全農の協力を評価 深澤さんは平成3年にコープとうきょうの農産部長に就任(11年にコープとうきょうはコープネットに加入)するが、まず取り組んだのが「産直だからといって安全でおいしくとはいえない」ということから、残留農薬検査を売上げの0.1%の経費をかけて始める。そのために、東京農大や理科大に聴講生として通い農薬の正しい知識を学ぶことから始めた。そして、農薬が残留するのは、散布機のノズルに問題があるとか、ドリフト(飛散)、あるいは畝ごとに別の作物を植えつけていることなど「原因を知ることで、その対応ができる」と考え、産地に対策を提案していく。 ◆生産方法は生産者の自己責任で 深澤部長は「野生の植物を人間が食べるために品種改良してきたのだから、弱いのは当たり前。野菜などが病害虫に犯されたときに農薬を使うのは、人間が病気になったときに薬を服用するのと同じだ。人が食べるための最終商品に農薬が残らないようにする」ことだと考えている。ただ、発がん性が強かったり、残効性が長いジチカーバメート系農薬や有機塩素系農薬など13の農薬については、使用実態を把握するために使用の報告義務がある「管理農薬」としている。 ◆関係を強めた包装加工センターの運営 センターとの関係を強めてきたもう一つの要因として、包装加工センターの運営がある。 ◆旬の野菜の鮮度・品質・美味しさを安定化させる 全農首都圏青果センター東京の岩城場長は温度管理がキチンとされなければ、美味しさが失われるだけではなく栄養価も逃げると指摘する。例えばほうれん草のビタミンCは10℃で2日経つと30%減少するが、3℃なら20%減に抑えられるという。だからセンターのシステムは「栄養価があって、食べて美味しい野菜を届けられるシステム」だという。 ◆全量を集荷しロスの少ない多角的な活用を これからの全農やセンターに期待するのは、一つは、現在、全農茨城県本部のVFと提携して進めている休耕地を借りて、ほうれん草や小松菜などの生産コストは従来より3分の1落とし、収量を増やして農家手取りを確保するというような取り組みを全農が組織的に取り組んで欲しいということ。 |
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(2006.3.23) |
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