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風向計 |
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◆「弱肉強食」原理を導入 ――小泉政権5年間の功罪をどう見ておられますか。 小泉首相ほど国民を痛めつけた総理大臣は、かつていなかったと思います。日本の国益や独立などに対する配慮をかなぐり捨てブッシュ米大統領のいうとおりに動きました。しかもその首相が英雄にまつりあげられました。政府が巨大広告会社からテレビ各局へと手を回したからです。こうした展開が小泉政治の第1の特徴です。 ――最初に実行したのは英国のサッチャー政権です。その結果、今のブレア政権は後始末で大変ですね。 そうです。次いで米国のレーガン政権が実行して人類社会に不幸をもたらしました。首相や竹中平蔵総務相らは自分たちの政策が市場原理主義であることをごまかし続け、わけのわからない説明をしていますが、安倍晋三官房長官は最近出した本の中で「日本はアングロサクソン流の市場経済導入に踏み切った」と明言しました。 ――東京との格差拡大を痛感している地方の住民の意識は確かに変化していると思いますね。 小泉「改革」で良くなると信じて、それを支持してきたが、まんまとだまされたという声をよく耳にするようになりました。 ――ところで小泉内閣誕生に至る裏の力についてはどう分析されますか。 小泉首相は米軍基地のある横須賀出身ですが沖縄と違って横須賀の土地柄は米軍に対して非常に従順です。そこで生まれ育った政治家を首相にすば日本全体を横須賀化できると考えた米国共和党政権の動向が裏にあると思います。 ――その後もアメリカは日本政府に「年次改革要望書」の名前で都合の好い規制緩和を要求しており、郵政民営化は小泉内閣が強引に実現させました。 だから小泉首相はブッシュ政権の世界戦略にとって非常に役に立つ総理だといえます。 ◆安部氏をどう評価するか ――ポスト小泉の最有力候補とされている安倍官房長官をどう見ておられますか。 安倍官房長官は小泉首相以上に米国一辺倒であり、ブッシュ大統領に忠実であると米国側は評価しています。 ――日本国民としては期待できないということですか。 日本・中国・韓国が仲良くなって東アジアがEUのように一体となる方向に動けば米国は孤立化し、アジアに関与しにくくなります。米国としては日中韓が絶えず対立し続けることが望ましいのです。だから反中国の権化である安倍さんは米国によるアジアの分断支配に大変ふさわしい人物なのです。 ――では野党のほうはどうですか。民主党には対決力は出てくるのでしょうか。 その点で注目すべきは民主党の小沢一郎代表が「共生」を政治の中心に置いていることです。数年前までは小泉・安倍氏らと同じ自己責任論でしたが、それを少し改めました。 ◆兼業農家追い出し ――しかし残念ながら農業の場合は株式会社を導入して競争をするという方向を農水省が明確化しつつあり、共生とは反対方向に進んでいます。 小泉内閣は日本農業を完全な資本主義農業に変えることがいいことなんだと考えているが、間違いですね。米国産牛肉の輸入再開も大きな問題です。 ――米国の牛肉生産量は日本の約23倍ですが、供給の8割を上位4社が握るという寡占状態です。この4社が激しいシェア争いをしてコストを下げるため不法移民などの一番安い労働力を求めています。だからBSE検査どころではないのですが、そうした実態をマスコミは余り報道していません。 政府・農水省は200万の兼業農家を40万に絞るといった担い手対策を考えていますね。ひどいですね。 ◆国民洗脳システム ――巨大広告会社の問題をお話されましたがマスメディアの実態がどうなっているのかをお聞かせ下さい。 戦争をしている国家はマスメディアを戦時体制に組み入れます。米国もアフガニスタン、イラク、そしてイスラエル支援と戦線を拡大してきた中でメディアを戦争協力機関にしました。今や日米の資本家は手を結んでいますから広告会社のつながりもあり、日本のメディアも準戦時体制に入っています。そして“テロとの戦い”という抽象的な概念を鵜呑みにし、米国やブッシュ大統領は正義であり善であるとの立場に立っています。 |
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