日本一のにんにくの産地である青森県田子町在住の佐野房さん（前青森県ＪＡ女性協会長）がこのほど、にんにくを主役としたレシピ集『おいしい　にんにく料理』を、創森社から上梓した。
　佐野さんは農家の主婦で、地域の女性たちのリーダー的存在。現在、ＪＡ田子町の理事も努めている。にんにく生産農家の佐野さんは、多くの人ににんにくをもっと良く知ってもらい、食べてもらいたいとの願を込め、自らが考案した約150種類のアイデアレシピの中から、特に作りやすく美味しいと評判の良いレシピを厳選し、１冊の本にまとめた。料理研究家などとは違った、生産者ならではのにんにくの特性を活かしたレシピがきれいなカラー写真とともに紹介されており、にんにく料理の美味しさが伝わってくるようだ。
　本編は、▽わが家の人気レシピ、▽愛しのにんにくレシピ、▽最強のにんにくたれ＆みそ、など６つのジャンル分かれており、人をもてなす場合、夕食のおかず、ビールのつまみなどそれぞれ具体的な場面を想定し、作り方を紹介している。また、「タマネギの代わりに、にんにくを使った豚丼（ピリ辛どんぶり）」、「作ってでも持ってきてとリクエストの多い人気料理（鶏肉とにんにくのこんがり焼き）」、「にんにくを主役にシンプルにつくるほうが人気があります（素揚げにんにく入りカレー）」などといった筆者のコメントも楽しい。所々に囲みで入っている『ひとくちアドバイス』も、佐野さんの視点が分かっておもしろい読みものとなっている。生産者である佐野さんのにんにくにかける思いがどのページにも溢れた本だ。
　最後に、「知っておきたい、にんにくおもしろ話」として茎や葉の食べ方、薬効と注目の成分などにんにくに関するお得な情報と、田子町のガーリックセンターの紹介がある。田子町では、にんにくを始め地場産農産物の加工などで女性が大きな役割を果たしている。この本は、そんな女性の活動をレシピを通して知ることができる。