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■自著を語る■ | 坂本進一郎 |
「大地の民」 坂本進一郎 |
本書は、『一本の道』を前編とし、本書を後編とする小説風の自叙伝です。私は悩める青年でした。その悩みは、大学2年後半から始まりました。いよいよ長い学窓生活を終え、実社会に入っていく段階になって、いったい自分は何をしたら自分らしく生きられるのか――つまり自分の適職は何かということに悩みました。しかし、結論は出ず、いったん流されるようにして、北海道開発公庫という政府系金融機関に就職しました。そこでも悩み続け、遂に考えに考えた末、百姓になることを決意しました。とはいえ、残念ながら、資本も技術もない。そこでたまたま大潟村では入植者を募集していたので、試験を受け、合格したので、第4次入植者として今日に至っています。 ◆タイトルと目次について タイトルは『大地の子』としたかったのですが、すでに同名の有名な小説があり、語呂が悪いのですが『大地の民』としました。それは私の自叙伝でありながら、私が多くの入植者の一人として、「青刈り反対」闘争と「ヤミ米」闘争に巻きこまれ、反WTO体制運動という大きな舞台に押しあげられていったからです。私個人の自叙伝を書くことは、運動の中で、多くの入植者はどのように行動したのかを書くことになるので、「大地の子らはどうしたか」を書くことにもなります。それ故『大地の子』としたかったのですが、先客ありで『大地の民』としました。目次は次の通りです。 ◆本書の狙い 私は北海道開発公庫に勤めていた時、調査課に配属され、その時新聞でよく目にしたのは、高度成長時代であったので、農村から都市へのおびただしい数の人口流出でした。なぜ、農民はこんなに農村を見捨てるのか、入植した時定点観測をやろうという思いもありました。大潟村に住んでわかったことは「青刈り闘争」という政治運動が、「ヤミ米騒動」という経済闘争へと変わっていったことでした。大潟村は初め、全国各地から集まってできたコミュニティ社会と思っていたのに、いつのまにかムラ(群れ)ができていました。経済闘争に変わったのは、このムラ出現と軌を一にしています。つまり、農政を見るより、ムラ人の動きに合わせようという風に変わったのです。それは農民としての、自主性喪失の現れでもありました。 ◆離騒社について 出版元は離騒社になっていますが、離騒社というのは私の屋号のようなものです。従って自費出版です。「離騒」というのは、中国の春秋・戦国時代、秦と楚が天下取り争いをした時、秦は楚の高官を買収して楚国を弱体化させました。楚の高官の屈原はそれにいや気がさして全国放浪の旅に出、その時離騒という詩(詞)を作りました。離騒社はそこからとったものです。自費出版なので全国の本屋には並んでおらず、御希望の方は、私の方に注文下されば幸いです。 (2008.2.6) |
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