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コラム
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消費者の目
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小学校の総合学習
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小学校5年生の娘がお米に関するアンケートを書いて欲しいと持ってきました。内容はと見ると、お米を買うときに味で選ぶか値段で選ぶかというものでした。聞けば4月から小中学校で本格的に実施されている総合学習の時間の課題だそうで、親たちにアンケートを答えてもらい、その内容について子供たちが発表するのだそうです。5月中旬には田植えの体験学習をしたそうで、米作りから消費者の購買行動までを学習するプログラムになっているようです。 件のアンケートは他のグループのものも含めて複数あって、非常に面白いものでした。ちょっとした市場調査も顔負けの質問内容でしたのでご紹介します。 1.もし、あなたが米を作るとしたら、農薬を使いますか?使いませんか? いずれの質問もキーポイントを押さえています。消費者のニーズを知るのに良い質問ばかりです。小学校の総合学習でこのようなテーマが取り上げられるとは、本当に驚きでした。茨城県が農業県であること、都会と違い生徒の中には農家の子弟がいることもテーマの選定に影響していると思います。 お米を作るときに農薬を使うか、使わないかという質問の答は親子で真二つに分かれてしまいました。私は「使う」と答えました。娘は「使わない」と答えました。理由は「農薬を使うと体に害がありそうだから」ということでした。私は娘が農薬の使用に漠然とした不安を表明したことにショックを受けました。どうやら娘の頭の中には「薬=危ない」という方程式が出来上がっているようです。 このような不安は彼女が目にするもの、耳にするものから生まれたものです。決して科学的な理解に基づいたものではないことは確かです。白雪姫をなき者にしようと継母が秘密の地下室で毒薬をつくり、りんごに入れて食べさせる・・・・。幼い頃からこんな刷り込みがなされているのですから無理もないことかもしれません。また、最近のテレビを賑わしているのは輸入ほうれん草から基準値以上の農薬が検出されただの、無認可の食品添加物が東京ディズニーランドのお土産に使われていたといった話なのですから尚更です。 一方で、「虫の食ったキャベツと食ってないキャベツが同じ値段で売っていたら、どっちを選ぶの?」と娘に訊ねると、「それは虫の食ってないキャベツに決まってるじゃん」と言います。これもまた消費者として素直な答だと思います。 こうした総合学習で講師役を引き受けてくれる人を探すのは難しいようです。多くの小・中学校が苦労していると聞きます。農家の方が積極的に総合学習に協力して、次世代を担う生徒たちに農業のこと正しく理解してもらうと同時に、農家と消費者の相互理解を深める機会をつかむことも大切ではないでしょうか (花ちゃん)
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