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コラム
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消費者の目
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田舎の強みを生かすディズニーワールド |
米国フロリダ州にあるディズニーワールドに行ってきました。メキシコ湾と大西洋に突き出した半島にあるオーランドいう街に近く、真冬でも日中は20度近い温暖な気候の土地柄で、一年を通じて滞在型のリゾート地としてアメリカ全土から多くの人が訪れます。 東京の山手線内ほどもある広大な敷地の大部分が森や湖で、その中に4つのテーマパーク、17のホテル、6つのゴルフ場などの施設が点在しています。ホテルと各テーマパークは無料のシャトルバス、モノレール、ボートで結ばれており、マイカーが無くても移動に困ることはありません。 私がディズニーワールドを訪れたのはクリスマス休暇とニューイヤーホリデーが終わった1月の第二週目でしたが、さすがにテーマパークの中は人が一杯で、ディズニーの底力を見せつけられたような気がしました。東京ディズニーランドと違って、若いカップルは僅かで、ほとんどが家族連れでした。ディズニーワールドはニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコなどの大都市から遠く離れており、若いカップルが日帰りで遊びに来られるところではありませんから、家族で長期滞在している人が中心になるのは自然でしょう。 しかし、一番驚いたのは、テーマパークで働いている人達(キャスト)の年齢層の高さでした。東京ディズニーランドの場合、キャストは10−20代と思しき若者が中心で、その中にトレンチコートを着た40がらみのおじ様が混じっていたりするのですが、フロリダのディズニーワールドのキャストは50−60歳代の方が中心なのです。パークの入り口で来場者を迎える人、各アトラクションの乗り場でゲストの人数を確認して振り分ける人、アトラクションのオペレーションを行う人、レストランでオーダーを取る人、お菓子を売る店のレジを打つ人など、パーク内の従業員は年配者で占められています。「歳をとってからも夢を与える仕事にかかわれるなんて、この人達はなんて幸せな人達だろう。」と思いました。 何故、年配の方がたくさん働いているのでしょう。ディズニーワールドの周りはリゾート地なのでアルバイトのできそうな学生はほとんど住んでいません。従って、地元の人達や引退後フロリダの温暖な気候を求めて移り住んできた人たちがキャストとして採用されているのでしょう。キャストの入れ替えも少なそうです。長く勤められる職場だから年配者が多いのかもしれません。年配者は歌ったり踊ったりといった派手なパフォーマンスはできませんが、人生経験を積んでおり、その対応は若いキャストにはない温かさに溢れています。そのことがほのぼのとした家族的な雰囲気を作り出しているようです。「マニュアルに従って動くだけではこうはいかないだろうな。」と心から思いました。 |
(2006.3.30) |
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