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コラム
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消費者の目
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変わらなければ生き残れない |
平成18年4月7日、民主党代表選挙に先立つ両院議員総会で小沢一郎氏は、「生き残るためには、(私が)『変わらなければ』ならない!!」と語りかけました。この言葉は、ルキノ・ビスコンティ監督
「山猫」の中でバート・ランカスター扮するシチリア貴族の台詞で、小沢氏自身も好んで引用する台詞です。一方で、小泉首相は、「人っていうのはなかなか『変わらない』ものだからねぇ!!」と小沢氏をけん制しています。 ◇ 「変わる」といえば、情報技術分野における革新のスピードを表す「ドッグイヤー」とう言葉は、犬の1年が人の7年に相当することになぞらえて「他の業界では7年で変化するような出来事がインターネットの世界では1年で変化する」という意味で使われますが、世の中の変化のスピードもそれに引っ張られるように年々速くなっています。このような変化のスピードについていけなければ競争に負けてしまいます。「人も組織も変化し続けなければ生き残ることはできない」という言葉はまさに今の世の中を象徴しています。 ◇ 例えば、バレーボールはゲームのルールを変えてスピード化に対応しました。東京オリンピックで東洋の魔女が暴れまわった頃のルールと今のルールではまったく異なっています。一番大きな変化は1999年に採用されたラリーポイント制で、それまでのサイドアウト制ではサーブ権を持っていないと得点を獲得できなかったのが、ラリーポイント制になってからはサーブ権がなくても得点になるようになったことでしょう。これにより試合がより攻撃的でスピード感のあるものになりました。一方で、攻撃偏重による大味な試合にならないように守備のスペシャリストである「リベロプレーヤー」というポジションを新設してバランスをとりました。現在のバレー人気にこのルール改正が大きく貢献していると思います。 ◇ 皆さんよくご存知のコンビニエンスストアはPOSシステムによって日々売れ筋商品の変化をモニターし、その変化に対応し続けています。売れている商品は店頭に残し、売れない商品は店頭から排除するのです。しかし本当に大切なのはPOSシステムでモニターした結果に対応することではなく、気温、天候、季節、時間など状況の変化によって変化するお客様のニーズを的確に把握して、それを店内のレイアウトや品揃えに反映させていくことだと言います。3000アイテムあるといわれるコンビニの商品のうち、2100アイテムは1年後には入れ替わってしまうほどです。こうして変化を作り出してゆくからこそ消費者に飽きられないのでしょう。 ◇ 変わることはストレスを伴います。誰しも慣れ親しんだやり方を捨てて新しいやり方に変えたくはありません。しかし、「変わらなければ生き残れない」のも事実です。同じ変わるのであれば、強制されるよりも自ら能動的に変わっていく方がやる気になります。新しいことに挑戦すれば脳が若返ることも知られています。個人としても組織としても、新しいことに挑戦し続ける姿勢が好循環を生む源泉といえるでしょう。(花ちゃん) |
(2006.5.18) |
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