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コラム
砂時計

Walkingのススメ

 人は考える葦であると哲学者パスカルは言ったそうです。学生のころ国語の試験で、この意味を問われた。正解はいまでもわからない。人は考える「足」であると言うならすぐにわかります。
 上野公園にあるロダンの有名な彫刻は、考える人というよりもむしろ悩む人と呼ぶほうが適当ではないかと思いますし、広隆寺の弥勒菩薩は夢見るヒトに私には見える。座禅も瞑想する姿であって、考えているわけではない。ヒトは、考えるときどんなポーズが最も適当なのでしょうか。そこでWALKINGのススメになるのです。
 これは、散歩とは似て非なるものであることをまずご理解いただきたいとおもいます。ただブラブラと漫然と歩くのでは例え何時間歩こうとも、私の言うwalking では断じてないし、従って、考える足でもありません。あえて独断を許していただけるなら、まず第一に、最低1時間、第2に、目的地を決めて、第3に、そのヒトの体力の範囲内で、できるだけ速足で歩くことが必要です。そうするとどうなるか。20分ぐらいすると、どんな寒中でも体がぽかぽかしてきて汗ばんできます。同時に呼吸が深くなり深呼吸になる。当然、腹式呼吸になっています。そうなると、血のめぐりが、特に、頭のなかでよくなっていくのがわかります、と言ったら信じていただけますか。
 医学的なことは、さっぱりわかりませんが脳内ホルモンも出ている為でしょうか、つまらない雑念とか邪念が消えてゆき明るい前向きな気持ちになります。座っているのではなく、立ち尽くしているのでもなく、ひたすら前に歩いているわけですから前向きな気持ちになるのは当然です。いわんや、後ろ向きに歩くなんてことが無い以上、後ろ向きの考えともおさらばです。それどころか新しい発想が次々とひらめいてくるので、思わず歩みを止めて忘れないようにメモをとりたくなるほどです。本当ですよ。
 気持ちが素直になる結果、野鳥も、といっても雀ですが警戒心を解いてそばによってきます。昔の良寛さんも、walkingをしていたので雀の子と仲が良かったのではないかと思います。
 Walking を始めた目的は、ごたぶんにもれず減量することでしたが、1日1時間8000歩ぐらいでは、残念ながら1年で2kg弱の効果しかいまのところありません。15,000、歩けば必ず痩せてくるはずといってくれるヒトもいますが、まだ試すにいたっていません。過ぎたるは及ばざるが如しということにして、雨の日も風の日もずんずん歩いて前進してゆきたいと思います。皆さんもはじめられませんか。ヒトは考える葦ではなくて考える足なのですから。 (ジョージ)


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