このほど、ソフトサイエンス社より農薬の安全性に関する啓蒙・技術書『農薬と食:安全と安心−農薬の安全性を科学として考える−』(梅津憲治著)が発刊され、増刷の勢い。農薬と食の安全・安心を追い続けてきた著者の集大成で、農業・農薬に関わる人はもとより、食の安全性について考える人にとって必読の書だといえる。
人々が農薬そのものや農薬を使用して栽培される作物や加工食品を「安全で安心である」と認識するためには、まず科学的視点に立脚した農薬や残留農薬の安全性あるいは潜在的危険性に関する検証が必要だ。その上で、検証結果を正確にかつ分かりやすく消費者や生産者を始めとする関係者に伝え、人々が正しく理解し納得するというプロセスが必須となる。
本書は、「農薬が有する多面的な側面のうち、人と健康のかかわりに焦点を当て、農薬や残留農薬の人の健康に対する影響について、良い面、悪い面を問わず正しく理解していただくという観点で執筆」(著者談)されており、農薬の正しい理解の拡がりに貢献する一書だといえる。
〈問い合わせ先〉ソフトサイエンス社 〒107−0052 東京都港区赤坂2−15−18 電話(03)3505−4341 FAX(03)3505−4559 (2003.11.20)