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特集 第50回JA全国女性大会特集号 農業の新世紀づくりのために |
現地レポート 農業新世紀をつくる女性たち 仲間を信じ、大切にし、ともに歩む |
注文販売やネット活用で全国区へ |
家族への理解も広げて―― 特産品センター・かめりあ会長 井上幸枝さん(広島県世羅町) |
◆生活近代化グループの1グループ1産品がルーツ
井上幸枝さんは、広島県の『せら夢高原6次産業ネットワーク』会員である「せらにし特産品センター“かめりあ”」の会長を務めている。“かめりあ”とは旧世羅西町の花であった椿の意味。平成5年4月に発足した。『せらにしふれいあいの会』が、運営母体となっている。 ◆12名の会員で運営、65商品を販売
かめりあは、全員参加の運営委員会のもとに、加工部門と販売部門が設置されている。加工部門は惣菜部、菓子部、みそ部、もち部に分かれており、それぞれの責任者が人の手配を行い、イベントや注文などを考慮しながら、品切れにならないように生産している。販売部門では店舗、ふるさと便、イベント、市場・商品卸、インターネットに分けて提供している。ふるさと便は、春ふるさと便、かしわ餅セット、敬老の日セットなど季節に合わせた商品を、年7回全国に向け発送している。 ◆売上は10年で約2倍、在庫管理に注意
「設立から10年以上経って、売上は約2倍です。ゆっくりではありますが、業績は着実に伸びていると評価しています。設立当初に比べ、取り扱い商品がかなり増えているので、在庫管理に気をつけています。商売としては、ある程度の量が確保されてないと、お客さんを逃がすことになります。店舗はここだけなので、ふるさと便や出張販売などの売上が、経営に直接影響します。そのため、全国のみなさんにかめりあの存在を知ってもらい、いかに商品をPRするかがとても重要です。あらゆる機会を捉えて、知名度を上げたいと考えています。全国に向けて情報を発信するには、インターネットは重要な手段だと捉えています」と井上幸枝さんは語る。今後の事業展開でインターネットの活用が欠かせないとの認識だ。 ◆「テンペ」で恩返しを、周りの理解が大切
「かめりあの活動では、家族、私の場合ですと夫の理解が欠かせないと思います。私が一生懸命働いている姿を近くで見ていて、多少は理解してくれたのではないかと思っています。夫が周りの人に、かめりあの商品を進めてくれるなどサポーターになってくれているのです。身近なところで理解を得る、これはとても大切です。一緒に働いているのは農家の主婦なので、そのような理解が得られず、活動から離れていった人もいます」と、自分の身近な周りの人の理解が、いかに大切かを語ってくれた。 ◆活動で知り合った人々が私の財産 高校を卒業して、19歳で隣町から旧世羅西町にお嫁に来て以来、農業一筋で野菜やイチゴなどを作ってきた。「私自身も農家の生まれで、農業、もの作りが根っから好きなんです。もし、かめりあを始めていなければ、今でも農業中心の生活だったと思います。しかし、かめりあを始めたり、ネットワークの活動をするようになって、かなり生活は変わりました。当初は、農業とかめりあの活動を両立させようと苦労しましたが無理でした。家庭内の必要なことは行うが、農業との両立はやめてかめりあ中心の生活をすると決心してからは、気持ちがとても楽になったことを覚えています。今は、そう決心して良かったと思います。農業だけでは知り合えないような人と知り合えたことと、少しは広く世の中を見ることができるようになったこと、それが、自分の財産だと思っています」。 (2005.1.21)
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