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特集 JA全農畜産事業特集 国産畜産物の生産基盤と販売事業の強化 |
産地・生産部門と連携した特徴商品で 畜産販売部 狩谷哲夫部長 |
国産牛肉への信頼が高まる ――はじめに最近の国内産畜産物の生産および販売状況についてお聞きしたいと思います。まず、牛肉の状況はどうでしょうか。 狩谷 16年度の肉牛の出荷頭数は、国内成牛全体で124万頭強でして、前年度比101.1%と僅かですが増加しました。このうち、和牛は前年比98.6%でしたが、和牛以外につきましては、前年比102.1%で増加となっています。これは、米国で発生したBSEによる輸入停止措置の影響により、国内牛肉の需給バランスが崩れたこともあって、国産牛相場が高値で推移し、生産者が早出し出荷をする傾向にあったことなどが要因と考えられています。 ◆米国産牛肉の代替需要で消費量増加―豚肉・鶏肉― ――豚肉はどうですか。 狩谷 米国産牛輸入停止による代替需要から豚肉価格が上昇し、豚肉生産者の増産意欲は高まりましたが、16年度の肉豚出荷頭数は、結果的にはほぼ前年並みでした。これは、厳しい残暑や台風などの影響で出荷が伸び悩んだことによります。一方では、輸入品は代替需要の高まりにより、数量で、前年度比110.7%と大幅に増加しました。 ――鶏肉そして鶏卵はどうですか。 狩谷 鶏肉は、16年度は鳥インフルエンザ発生の影響により、1〜7月まで連続して消費量は前年割れでした。9月以降は、鶏インフルエンザの影響が沈静化したこともあり、消費量が回復し、平年を上回りましたが、通年では残念ながら前年比6%の減少でした。 ――鳥インフルエンザが茨城県で発生しましたが、その影響はどうですか。 狩谷 風評被害による買い控えの怖れも一部ではありましたが、消費者や小売店は比較的冷静に事態を受け止めましたので、消費への影響はほとんどありませんでした。 ◆着実に拡大する安全・安心への取り組み ――17年度の重点課題についてお聞きします。 狩谷 16年度の安心システムによる食肉の取扱数量実績は、牛では、15年度1615頭であったものが、約2000頭になり、豚では同じく15年度12500頭が22000頭まで伸長しました。 ――17年度の計画はどういう計画ですか。 狩谷 牛では年間で2200頭の取扱い、豚は、年間取扱い42000頭まで増やすことを目標にしています。 ――全農が開発した「国産牛肉のトレーサビリティシステム」や、「鶏卵の生産者紹介システム」についての導入状況はどうですか。 狩谷 「鶏卵の生産者紹介システム」については、16年度は、「しんたまご」8産地、特定量販店向け27産地の合計35産地に拡大しましたが、今後もさらに広げていく予定です。 ――畜産販売事業の強化方策として、「生協や量販店との連携を強化し、地産地消や産直事業による取り扱いを拡大する」とありますが、具体的にはどのような取り組みをするのでしょうか。 狩谷 産地や畜産生産部門と連携し特徴ある商品やシステムを開発することにより、産地および取引先との安定した国産畜産物の取引きを推進することにしています。 ◆事業別の販売会社設立で競争力を強化 ――6月にJA全農たまご(株)を設立しましたがこれの目的はなんでしょうか。また、今後の展開はどうなるのでしょうか。 狩谷 大消費地での鶏卵の販売力を強化するために、新会社を設立し、全国本部の鶏卵事業を移管しました。8月には、東日本、中京、近畿、九州の4ヶ所の全国本部における鶏卵販売事業を新会社に移管し、さらに、これまで、直販事業を担ってきた全農鶏卵(株)を合併しました。 ――食肉関係についても会社化が検討されていますが、具体的には…。 狩谷 まだ、詳細については、詰めてはいませんが、鶏卵販売事業同様、食肉販売事業につきましても18年度には会社化する方向で進めています。現在、専任部署が主体になって具体的な事業戦略や経営計画、スケジュール等を検討しています。 |
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(2005.8.26) |
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