農業協同組合新聞 JACOM
   
特集 JA全農の米穀事業改革がめざすもの

生産者手取りの最大化を実現

「新生全農米穀事業改革」

米本博一 JA全農常務に聞く
聞き手 梶井 功 東京農工大学名誉教授


 JA全農は米事業改革に向けた「新生全農米穀事業改革」を10月20日の経営役員会で決定し、26日公表した。全農の使命として「生産者手取りの最大化」と「生産者と消費者の懸け橋機能の発揮」を掲げ、改革の柱として「販売事業を起点とした生産・集荷」、「流通コストの徹底した削減」、「販売力強化による手取り確保」、「統合全農としての一元的な事業推進と効率経営」、「パールライス事業の再構築」を具体策としている。とくに生産者手取りを最大化するため販売対策費の廃止や運送費合理化などで流通コストを削減して、20年産までに現行の60kg3000円水準を2000円以内とする目標を示し、競争力の回復によってJAグループの米取扱シェアを65%にまで高めるとしている。改革の内容について米穀事業担当の米本博一常務に聞いた。米本常務は一連の改革は「ワン・パッケージで取り組むもの」と強調している。聞き手は梶井功東京農工大学名誉教授にお願いした。

◆改革実践に不可欠な需給対策

米本博一 JA全農常務
米本博一 JA全農常務

 梶井 今日は先日公表された「新生全農米穀事業改革」のポイントについて伺いたい思います。最初にいちばん気になったことからお聞きしますが、改革の基本的な対応方向では、米の計画生産と集荷円滑化対策は『需給環境整備に不可欠』であり事業面からも徹底して取り組むとなっていますね。17年産米で初めて集荷円滑化対策に取り組むことになりましたが、まず今後の需給対策の課題をお聞かせください。

 米本 17年産価格が低調な要因は、一部の作付け過剰も含めて40万トンが需要オーバーとなっているからです。この40万トンのうち9万トンが豊作による過剰で集荷円滑化対策の対象です。残り31万トンは今年の場合、政府買い入れが行われれば需給がバランスするということですから、9万トンについてはとにかく集荷円滑化対策を実施しなければ価格が下がってしまうことになる。
 対策の加入率は68%ですが北海道など作況の高い地域での加入率が高いのできちんと取り組んでもらい、まず今年の需給環境を整備したいと考えています。

 梶井 円滑化対策の対象となった米は、1俵6000円くらいになるのかと思いますが、それは共計には入れないのですね。

 米本 一般の米とは区分することが基本です。
 区分出荷する分は豊作によるオーバー分ですから、対策に取り組むことで通常出荷分の価格が維持できればトータルとして収入が確保できることになります。ただ、過剰分を区分出荷したけれど、価格がどんどん下がっていってしまうことがないようにしなければなりません。
 それを考えると17年産対策をきちんとやることと同時に、18年産対策も課題となります。というのも卸はすでに来年の9月以降に新米を使うのか古米を使うのかを考えているからです。
 今年も作況が100だったとしても30万トン分の過剰作付けがあったわけですね。ですから、これを考えると来年は10万ヘクタール程度、今年の作付けよりも減らさないと18年産の需給が均衡しません。もし18年産の需給が均衡しないとなれば、卸は来年8月までは17年産米を使っても、それ以降は18年産の新米に切り替えればいいと考えて行動する。9月、10月の販売量は30万トン程度ありますが、これが来年秋の時点で17年産ではなく18年産に切り替わってしまえば、いくら集荷円滑化対策で17年産米を需給均衡させていても、価格維持できないという事態も出てくるかもしれないわけです。

◆一層重要になる生産調整への取り組み

梶井功 東京農工大名誉教授
梶井功 東京農工大名誉教授
 梶井 その需給調整については、JAグループの集荷した米だけを隔離して販売調整する方策については共同計算コストを増大させ、農家組合員の手取りを下げることになる、と指摘して、全国的な需給対策を講じる場合はJAグループに結集した生産者が不利にならない方策を検討する、ということも打ち出していますね。これはどういう内容でしょうか。

 米本 その部分は、いわゆる調整保管をイメージしてのことです。生産量が増えた場合、今まではJAグループが集めた米を市場から隔離していたわけですね。かりに今年のケースをあてはめれば、過剰分の40万トンを隔離して需給均衡を図ったうえで、古米になってから販売していた。
 それには国から保管料助成があったわけですが、いくら助成があったとしても新米と古米の価格差、新古格差の経費が膨大にかかります。たとえば、平成8年産は80万トンを調整保管しましたが、それを売り切るのにかかった経費は800億円でした。半分は国からの助成がありましたが、残りは生産者が負担した。しかもこれだけの膨大な財源を使って需給調整しても、それに参加しなかった人も恩恵を受けた。われわれの競争相手は、こちらが市場隔離している間に売れるわけですからね。
 もちろん平成8年はまだ計画流通制度のもと全体需給も国が管理していましたし、全農も自主流通法人という立場でしたから、そういった調整保管とその後の販売も実施することができました。しかし、今はもう一登録業者ですし、需給管理も厳格に管理されていないなかでは、調整保管をやるとJAグループに結集した生産者の手取りを減らし競争に負けることになる。それはもうやめますということです。
 これは今回の改革の前提にもなることですが、このような調整保管はしないとするためには、米ができてしまってからではなく作る段階で需給を均衡させることが必要であり、自給率を上げるための転作などに政策的にも焦点を当てることが大事であって、作る段階での需給調整についてはこれからも行政とも連携してやっていかなくてはならないと考えています。
 今回決定した改革の内容は、こういう政策面も含めた需給調整対策などが実施されたうえで、全農は競争相手に負けないように徹底的にがんばって販売していきます、ということなんです。

◆販売対策費は18年産から廃止

 梶井 つくる段階での需給調整が決定的に重要だと私も思うのですが、その点で行政の腰が引けているのが心配です。
 さて具体的な改革の内容についてですが、今回の改革では、最初に『流通・制度などの環境変化にこれまでの米事業方式が対応しきれなくなっている』との認識が示されていますね。事業方式のなかでいちばん問題としたところはどこでしょうか。

 米本 これはお詫びをしなければならない問題ですが秋田県本部等の共同計算の不適切な運営です。生産者、消費者にご迷惑をかけたわけですが、これは単に秋田問題ではないということです。事業のやり方そのものに問題があった。
 これまでの事業は流通ルートが特定され、需給管理は国が行い全農も自主流通法人として計画流通米の流通を担っていた。そういうなかで、価格維持中心の事業方式であったわけです。
 しかし、最終的にはそういう形で価格を維持しようとしても価格は需給を反映した実勢価格で動くわけですから、実勢価格との差を販売対策費を支出することで調整するというやり方できた。ここ20年間ほどですね。これはそのときの制度ではまとまって販売できる効率的な事業方式でもあったわけです。
 しかし、これだけ流通が自由になったなかではその方式が効率的ではなくなり、共同計算の費用が販売対策費も含めてかなり高くなってきました。従来、流通経費は60kgあたり東北では1800円、関東では1500円ほどでしたが、最近は3000円近くになってきました。
 そうするといちばん問題になるのはそのことによって表向きの販売価格では競合相手に勝っているように見えても、流通経費が3000円もかかっていますから、生産者手取り額では負けてしまっているということです。こういう認識のなかで今回は大きく事業方式を変えるということです。

◆農家手取り確保し競争力を強化

 梶井 その改革のひとつの重要な課題として販売対策費の廃止が強調されているわけですな。

 米本 販売対策費といえば、普通は、販売を委託されているのですから農家から支払っていただく販売手数料のなかから支払われるべきものですね。それが農家からお預かりした共同計算の費用分から使われているものだから、なかなか支出に歯止めがかからなかった。
 こういう問題のほかに、ある県が販売対策費を出せば、その隣の県も販売対策費を使って販促をしていく。それがどんどん広がっていって米の販売競争とは販売対策費の支出競争のようなものになり、結局、農家の手取りを下げているということになるわけです。しかも売れ残るものは売れ残る。
 そこでわれわれは表向きの価格ではなくて農家への精算価格の部分で競争相手に負けないということを再度確認して仕事をしていこうということで、販売対策費は18年産から廃止します。

 梶井 流通コストの削減では運賃コストの削減も課題としていますね。どこが問題ですか。

 米本 今の価格センターの運賃というのは東京起点で価格を決めて、たとえば東海までは40円、近畿までなら80円を加算するというように決めています。ところが実際は東京・大阪間でもっと運賃はかかっていて、その分はみな共計からの持ち出しになっているんですね。
 一方で産地から直接に販売する業者などは実費ですから遠ければ高くなりますが、産地に近いところは安い。産地に近いところは今の方式では競争に負けてしまう。それならもっと実費に近い方式で運賃の問題を考えていかなくてはならないと思っています。

 梶井 ただ、いろいろ見直しはするものの販売方式としての共同計算方式は維持していくということには変わりはないわけですか。

 米本 そうです。そこはやはり、基本だと考えています。ただし、共同計算のなかでも、品代金の部分と販売にかかる金利などの費用というものをどのように組み合わせていくかが課題です。
 品代金というのはやはり生産者の努力が反映される必要がありますが、それもまだ一本の価格で精算している場合も多くそこをどう変えていくかも課題です。もっときめ細かな共同計算方式にしていかないと努力して市場評価も高い生産者は農協から離れていきますしね。

◆販売業務の全国一本化へ

米本博一 JA全農常務

 梶井 では実際の販売事業の改革にはどのように取り組むのでしょうか。

 米本 今回の改革では販売対策費で競争して相手先に売っていくことをやめていこうということですから、これとセットで販売体制も変えます。
 具体的には今まで36県本部がばらばらに販売活動をしていましたがそれを一体化して販売していこうということです。今までは販売対策費をいくら出すかということが販売促進でしたが、今度はそれがなくなるわけですから、どう販売促進を図っていくかとなると実需者のニーズをふまえて生産にもつなげていくことが必要ですし、さらに特徴ある米の企画提案を相手先にしながら売っていくことがポイントになると思います。その販売戦略を全国本部、県本部、パールライス会社が一体となってつくり実践をしていこうということです。
 もちろん販売対応窓口は全農として一本化しても、売る米としては、どの県のどのJAがどういう作り方をしたのか、という顔の見える売り方をしていきます。むしろ取引先ごとに担当者を決めるといった体制になるわけですから実需者にしっかり対応できるようになると思いますね。
 このような実需者を特定した契約販売は現在でも35万トンほどありますが、それを20年産では100万トンにしていくことが目標です。今まではとにかく集荷、集荷で、集まってから売り先を探すという事業方式でしたが、今後は播種前契約や複数年契約など安定契約取引を拡大して、それを生産にもつなげていく仕事をするということです。

◆全国本部の販売統括部署新設

 梶井 一体化に向けては具体的にどういう組織化をすることになるのですか。

 米本 今の東西販売センターは全国本部職員で構成していますが実はいくつかの県本部駐在事務所が同居しています。機構もちがうため、全国本部職員は全国本部の指示で、県本部の職員はそれぞれの県本部の指示で動いているわけですね。それを指揮命令系統を一本化して、一元的な販売推進をするため、県本部駐在事務所を販売センターに一体化させ、職員も全国本部へ異動してもらいます。そして、販売センターを統括する部署を本所に設置してそこの指示で仕事をするということです。

 梶井 それができて全農のガバナンスの確立になるわけですね。ところで米の販売はJAも直接販売したり独自に営業活動に動いたりしていますが、その取り組みとの関係はどうなるのでしょう。

 米本 JAに独自の結びつき先があったとしても、たとえば、債権管理、代金回収は全農を通したいということもありますね。販売事業の最大の課題は、債権管理、代金回収ですから。そこはできるだけ全農でやっていければと思っています。つまり、JAと連合会との機能分担です。
 こういう機能分担をしながらJA段階での集荷率を20年に65%にもっていきたいと思っています。今は49.5%なので、この目標はかなりハードルが高いと私自身も思いますがこれは15年ほど前の水準なんですね。これぐらいのシェアはJAグループとして持っておきたいということですし、これからは担い手を中心とした対策も導入されてきますから、65%程度の目標を掲げて事業を展開しないと現在のシェアが大きく下がっていくという危惧もあります。
 これはJA段階のシェアですから、ここから先はJAがJA自身で売る部分もあるでしょうし全農に委託する部分もあるでしょう。全農としては連合会としてJAの補完機能を発揮する観点で事業をしていこうということですが、その場合のいちばん重要な柱は、繰り返しますが生産者手取りで競争相手に負けないということです。
 その点でJAではとくに担い手対応の強化が大切です。生産法人などは一般の共同計算のなかで取り扱われるのではなく、経理も独自に行っているわけですから自分たちの作った米は自分たちの米として評価されたいという要望がある。
 それに応えられるように全農もきちんと実需者に対応して銘柄、栽培条件や価格条件、販売先などの条件をJAに提案しそれをJAは担い手に提案していくことも課題です。生産法人のJA利用率は14年度で36%ですが、20年度には50%にする目標も掲げています。

◆JA米の消費者向け販売も積極化

梶井功 東京農工大名誉教授
 梶井 改革案では全農としての精米販売の目標も掲げています。これについてとくに友好取引先との事業提携をいっていますがこれはどういうことでしょうか。

 米本 全農にはパールライス会社が27社ありますが、精米販売量は16年産で60万トンです。これは生産者が作った米を全農の責任で精米として販売するという事業です。そのほかに全農本体としての販売が20万トンありますが、これはパールライス会社以外の卸と特定の実需者との3者契約を結んでいるものです。全農安心システム米もこの部分に入ります。
 全農が自主流通法人だった時代はすべての卸と取引をしなければなりませんでしたが今はそうではありませんから、たとえばJA米など生産者が栽培基準に従って生産したものをきちんと精米で販売するとなると、すべての卸と取引するというわけにはいかないわけです。そこで一定の卸とは積極的に業務提携していこうということです。
 精米販売では、JA米を位置づけてきちんと売っていくことも大きな柱です。JA米だからこの価格、JA米ではないから安い、という姿に持っていきたいと思いますが、今は消費者段階まで認知されていません。
 ここにも販売対策費の問題があってある卸には販売対策費を使い、ある卸には使っていなければ、JA米でもいろいろな価格のJA米が存在することになりますね。しかし、販売対策費をやめればJA米を原料として使う精米の消費者段階での価格は大体この水準だということになるわけですね。同じ銘柄でも安いものが店頭にあればこれはJA米じゃないんだなということになります。
 このようにJA米の価値を上げるためにも販売対策費を廃止していかなくてはならないという面もあるということです。また、同時にJA米として消費者にまで販売するとなればJA米の中身もレベルアップしていかなければなりません。

◆懸け橋機能の発揮へパールライス会社再編

 梶井 パールライス会社の再編も大きな課題としていますが、ポイントはどこでしょうか。

 米本 問題なのは本来、県本部の業務である卸への玄米販売をパールライス会社が担っているということです。それをやれるのは、パール会社では県本部から販売対策費を受け入れてそれを財源にして全農よりも安い価格で卸へ売れるからです。そういう県本部のダミー的な役割をパールライスが果たしていたことが不祥事の原因ともなった。そこでブローカー的な卸間売買は禁止するとしたわけです。また、そもそもパールライス会社は生産者が丹精こめて作った米をJAグループとして精米販売して責任をもって消費者に届けるという役割を果たそうということでしたがそれができていない。
 しかし、卸間売買ができなくなれば卸間売買での収益が過半を占めているようなパールライス会社は経営が成り立ちません。そういうことから今回は各地のパールライス会社は、東西パールライスとの統合、他の農産物販売子会社との再編、本体への復帰などの方法で再編してブロック化し、精米工場もそれに合わせて集約合理化していこうという方針を打ち出したわけです。

◆ワン・パッケージで進める改革

 梶井 改革は多岐にわたりますが、JA関係者はどう受け止めて行動すればいいのかお聞かせください。

 米本 今回の改革は「新生全農米穀事業改革」と名づけていますが、何が変わるかといえば今まで県本部単位の責任で事業推進していたものを、今後は統合全農として一本化した体制でJAからお預かりした米を責任を持って売るということです。それも競争相手と競争しながら売っていくということですが、そのときの売り方は生産者手取りでは負けないということです。
 そして全農がそういう機能を果たすなかで、JAにはきちんと米を集めてもらう。そのうえでJAと全農の機能分担するということです。
 改革は販売方式の転換や流通コスト削減、パールライス事業の再構築など大きな柱がありますが、これはワン・パッケージで進めるものです。ワン・パッケージで改革しないと使命も果たせないということを理解していただきたいと思います。

 梶井 今後の取り組みを期待します。頑張って下さい。

インタビューを終えて

 “合体”はしたけれど“統合”になっていない、という点こそ、全農改革で問われている最大の問題点だった。秋田事件の根底にも“無用な不当競争”があった。米穀事業改革の焦点も“統合新生全農としての一元化した販売推進”をどうやって実現するかにある。
 今までは販売センターに全国本部職員・県本部職員が一緒にいても、“全国本部職員は全国本部の指示で、県本部の職員はそれぞれの県本部の指示で動いて”いたのを、これからは“指揮命令系統を一本化して販売センターを統括する部署…の指示で仕事をする”ようにすると常務は強調される。“県本部消費地駐在事務所の…要員も…全国本部所属とする”ことが、「改革」案のなかには書かれていた。全農としてのガバナンスの確立が目指されているわけである。実現すれば組織としての大改革になる。販売促進費の廃止が事業スタイルの抜本的変革を要求することはいうまでもないだろう。健闘を期待したい。(梶井)


『新生全農米穀事業改革』具体策のポイント

◎販売を起点とした集荷
播種前、複数年契約の拡大、強化で販売計画に即した集荷方式への転換。
・JA米を中心に20年産までに取扱量100万トンに。
◎流通コストの削減
・販売対策費の廃止、運賃・保管料の引き下げなど競争相手に負けない生産者手取りの実現。
・現行60kg3000円を20年産までに2000円以内の水準に。
・実費運賃適用、産地倉庫渡しの建値条件変更を検討。
◎JAとの機能分担
・JAの直接販売に対しては受渡、代金回収機能など補完機能を提起し積極的な取扱いめざす。
・単なる価格競争を誘発しないようJAグループとして情報の共有化と連携。
・機能分担、連携強化でグループ全体で20年産に取扱シェア65%を目標。
◎担い手対応の強化
・JAを通じて接点強化。20年度に法人のJA利用率50%を目標。
◎集荷価格
・18年産以降、(1)集荷時の支払いはせず販売状況での代金一部支払い、(2)内金+追加払い方式、(3)不測時の一部返金の事前了承による概算払い、のいずれかを選択。
◎取引手法と価格形成
・相対取引では現行の事前年間、期別を18年産以降廃止。播種前、複数年での安定取引契約、数量、価格等の固定した契約を主体。
・業態、ロット等に応じて個別販売先ごとに価格設定。
・入札取引では、弾力的な実施回数の設定などを国、コメ価格センターと協議。
・センターを取引市場と位置づけ活用。
◎一元化した販売推進
・県本部、全国本部、パールライス会社で販売戦略を一元化する仕組みを構築。
・本所に「全農米穀グループ販売戦略統括部署」新設(18年2月)、東西米穀販売センターを直轄。
・実需者接近型事業強化のため東西パールを核に精米販売の拡大。
・友好取引先との間で事業提携も検討。
・グループ全体の精米販売目標数量は20年産で100万トン、22年産で150万トン。
・販売先が特定され、生産者やJAを特定できる契約栽培などで買取販売方式を導入。
・買い取りにともなうリスク対応措置として「価格変動準備金(仮称)」の創設を検討。
◎共計運営の抜本的改善
・「米等県域共同計算実施基本要領」、「販売対策費基本要領」の遵守徹底。販売対策費は18年産以降廃止。
・単年産ごとの早期精算。
・年度ごとの会計処理を明確化した情報開示。
◎パールライス事業再構築
・20年度までに東西パールライス会社と隣県パールライス会社との統合を実現。
・生産量の少ない県本部の集荷事業のパールライス会社移管を17年度末に判断。
・産地パールライス会社は(1)本体復帰、(2)他の関連子会社と再編、(3)東西パールライス会社との統合を基本に再編基準を17年末までに明示。18年3月末までに組織合意。
・東西パールライス会社の抜本的な経営再建と体制刷新を。19年度末までに確立。
・精米工場はブロックごとの再編、スクラップアンドビルドで40工場を半数程度に集約。18年10月までに組織合意。
◎手数料体系
・統合県では販売形態区分(入札・相対など)に基づく多様化、連合会利用度を勘案したJA別取扱数量を基礎とした定額手数料の導入なども含め、JAごとの設定基準の全国一本化を検討。
・各種事務手数料の整理、統合メリット還元の視点で検討し、19年度から改定実施。
・県本部、全国本部がそれぞれ収受している手数料の計上を19年度から全国本部に一元化。
・事業を単位とした収支計画、投資計画、要員計画の最終的な決定権限、責任は全国本部本所に集約。
・県本部は産地JAに対する推進業務、県内需要者への販売のほか、定められた権限の範囲で県域共同計算の運営を行う。
・販売センターには一定の販売権限と責任を付与。
・統合全農内では「戦略会議」を定期的に開催。統合県の代表JAによる定期的な会議開催。



(2005.11.2)



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