農業協同組合新聞 JACOM
   
特集 生産者と消費者の架け橋を築く女性たちの役割

 第51回JA全国女性大会 開催にあたって


経験と知恵を生かしJA女性組織の発展を

全国農業協同組合中央会 会長 宮田勇


全国農業協同組合中央会 会長 宮田勇 氏
 第51回JA全国女性大会の開催にあたり、JAグループを代表して、心からお祝いを申し上げます。
 日頃、地域に密着し元気に活動されているみなさまの姿に、組合員活動の原点をみる思いであり、敬意を表する次第です。
 さて、JAグループでは現在、平成15年に開催した第23回JA全国大会決議に基づき、経済事業改革、経営管理および事業基盤の強化などJA改革の実践に全力をあげて取り組んでいます。実践状況の点検においては、JA女性組織のみなさんにもご協力いただいたJA改革の実践に関するアンケート調査が指標の一つになっており、またあわせて日頃のご協力に感謝申しあげます。
 本年10月には第24回JA全国大会を開催することとしており、現在JAグループの議案づくりに取り組んでいます。
 また、今年はスピードをあげて改革の成果を出す必要があり、JA女性組織のみなさんには、今まで以上にJA改革の実践に積極的な参画を強く希望するものです。
 また、JA女性組織で長年熱意を持って取り組んでいただいている、女性のJA運営への参画促進についてですが、本会では、8月からJA全青協会長とともに、JA全国女性協会長に本会理事にご就任いただきました。全国のJAに対してJA運営への女性参画促進を指導する立場である本会において、定款変更を経て、参画を実現したことは大きな意味があり、第22回JA全国大会で、合併JAの女性理事を2名以上とした数値目標実現への一助となるのではないかと期待しております。地域では、理念として男女共同参画が理解されていても、いざ女性の参画となると、男性側の理解がまだ十分でないというお話を聞きますが、全中の対応も参考にしていただき、全国のJAで女性理事が当たり前の存在になるよう、みなさんの取り組みを強く希望いたします。
 さらに今年は二つの大きな農政問題を抱えています。一つは担い手づくりです。地域実態を考慮して担い手の組織化を行う際、地域で活躍する女性の参画が欠かせません。地域の老若男女が一体となって、力を出し合うことが、地域の活性化、生き残りにつながると認識し、取り組みを着実に進めていただきたいと思います。
 二つ目は、WTO農業交渉です。昨年12月の香港閣僚会議では合意することができなかった保護削減の基準(モダリティ)は、本年4月末の確立が見込まれています。ここで力を発揮するのは何といっても、食料・農業の重要性についての国民の幅広い理解です。JA女性組織のみなさんは日頃より、地産地消の旗印のもと直売所や各種交流活動、環境問題などを通じて消費者とのつながりも深く、この実績を活かして、さらに理解促進を広げていただくことをお願いいたします。
 農業・JAを取り巻く環境は急速に変化してきておりますが、一方では食育基本法の制定に見られるように、食や農のあり方についての関心が高まっていることも事実です。この状況のなかで、私たち生産者が今まで以上に、実態に基づいた正確な情報を発信することがたいへん重要になっています。食品メーカーなど企業サイドが、我先に「食育」を販売戦略に利用していることを見れば、みな食や農を重視する考えだと思います。なかでも特に、子供たちに対し農業体験の機会を提供すること、風土に合った健全な食生活を伝えることは、国民からも広く求められていることであり、生産者だからこそできる取り組みです。すでに各地で工夫のある取り組みをしていただいていますが、この輪をさらに広げるため、JA女性組織のみなさんの経験と知恵を活かしていただきたいと願っています。
 結びに、全国のJA女性組織がますます発展されることを祈念するとともに、今後ともみなさんとともに、明日のJAグループを築きあげる決意を表明し、お祝いの言葉とさせていただきます。

(2006.1.20)



社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。