◆「家の光文化賞農協懇話会」とは?
17年度の「家の光文化賞農協懇話会」のおもな活動
会員JAの相互交流・研修会
−県域交流集会を岩手県(3月14日、8月3日)と宮城県(9月8日)で開催。
地区別JA教育文化活動実践研究集会
−全国6会場で開催。テーマは「協同活動強化に果たすJA教育文化活動と家の光事業」
家の光文化賞
JAトップフォーラム2005を開催
(8月2〜3日)
−7回を数えるこのフォーラムには220名が参加。「地域社会に貢献するJAの役割と教育文化活動の重要性」をテーマに課題提起と実践報告が行われた。また、(社)農業開発研修センターの藤谷築次会長理事が「JA教育文化活動の新しい展開方向を考える」で提言。経済評論家の内橋克人氏が特別提言「生き続ける地域社会を築く」を行った。
「子ども 食と農の教育活動」全国研究集会(11月29日)
−食と農の大切さを次世代に伝えるために」をテーマに開催。JAグループにおける食農教育の展開、食育基本法の概要説明のほか、「地産地消と学校給食」で共同研究。
「農山漁村女性起業講座」を開催
−「実践編」を愛媛県と福島県で、「強化編」を熊本県で開催。
国際交流活動
−ブラジル農協婦人部連合会へ「家の光賞」を贈呈。
「懸賞論文」の募集
−「文化と協同の力」で元気なJAをめざす活動の一環として、JA役職員を対象にした「懸賞論文」を募集。3年に1回の実施。
家の光文化賞農協懇話会臨時総会
−2月3日、横浜市で開催 |
「家の光文化賞農協懇話会会員」と記されたプレートが玄関などに掲げられたJAを訪れたことはないだろうか。プレートにはそのJA名と「第○回家の光文化賞受賞」と記されているはずだ。これは「家の光文化賞」の受賞を讃え、この懇話会の会員JAであることを広く知らしめ、この賞への理解を広めるために制作しているもの。もちろんそのJAの役職員がプレートを目にするたびに会員JAであることに誇りを持ち、JA教育文化活動により地域の活性化をリードするのは自分たちだ、との自覚を持ってもらうためでもある。
このプレートは家の光文化賞農協懇話会創設20周年の記念事業の一環として平成14年から設置を始めた。
家の光文化賞農協懇話会は、文化賞制定30周年を機に、受賞JAの相互交流、相互学習を目的に昭和57年に結成された。家の光文化賞受賞JAを中心に現在会員は165。
主な活動は交流研修会などを通じた会員同士の相互交流とブラジルの同胞への「家の光賞」の贈呈のほか、家の光協会と共催で「家の光文化賞JAトップフォーラム」や「子ども 食と農の教育活動」全国研究集会、「農山漁村女性起業講座」などを毎年開いており、JAが地域で教育文化活動を推進するための重要な役割を担っている。
総会は3年ごとに開かれるが、今年の第6回総会では、「10年後も元気なJA」をめざして教育文化活動に積極的に取り組むことや合併前に家の光文化賞を受賞したJAは、改めて受賞にチャレンジしよう、と呼びかける特別決議を採択した。
◆今こそ「家の光文化賞」への挑戦を
では、「家の光文化賞」とはどんな賞なのか、改めて振り返ってみよう。
この賞が制定されたのは昭和24年。『家の光』創刊25周年記念事業としてスタートした。ただし、そのきっかけとなったのは敗戦直後の21年に開かれた県農協中央会の家の光担当者全国会議での出席者からの提案。当時、都市は焼土と化し、農村も疲弊、混乱、虚脱の状況にあった。しかし、そんななかでも農協のなかには、敗戦から立ち上がるには「協同組合精神以外にない」と、農民の創意を引き出し、協同と団結の力で地域社会を再建しようとしている農協がある、その取り組みを家の光協会は顕彰し力づけるべきではないか、という提案が出されたのである。
まさに、「家庭に光りを、農村に明かりを」灯す農協の役割を全国に広げようとの願いからスタートした。
この賞が制定された当時の農協数は3万超。小規模な農協は経営が弱体化していたが、その厳しい状況のなかでも教育文化活動に取り組んでいる農協があった。経営内容とともに、生活活動、読書運動の実績、文化事業、『家の光』の普及状況といった内容が厳しく審査されて、受賞組合が決まったのである。第1回から受賞農協は『家の光』で紹介されているが、「読書・学習を黄金の杖」に組合員とともに地域社会づくりに取り組んでいることが記されている。
◆「協同する仲間づくり」をめざして
昭和26年からは受賞組合にはブラジル・コチア産業組合中央会奨励賞が授与されている。これは敗戦後の日本の惨状を知ったコチア産業組合関係者や日本からの移住者が浄財を集めて(社)家の光協会に託したもの。家の光文化賞農協懇話会がブラジル同胞への報恩として「家の光賞」を贈呈しているのはそのためである。
文化賞が創設されて今年で56年。これまでに延べ245組合が受賞している。床置き時計の正賞とあわせ副賞として300万円も贈呈。全国家の光大会で行われる表彰式で副賞の額が紹介されると、きまって会場から驚きの声が出る。その賞金は図書室づくりや女性大学の運営資金、農産加工場などの設立といった教育文化活動に生かされているという。
第52回からは「JA教育文化活動がJA運営のなかに位置づけられているJA」に対して「家の光文化賞促進賞」も設けられている。
広域合併JAの時代を迎えるなか、JA教育文化活動への取り組みによって、人々の心豊かな暮らしの実現や農業の再生につながる地域への貢献が今ほど期待されている時はないだろう。