農業協同組合新聞 JACOM
   

特集 農協愛友会 創立50周年記念



会員同士の理解と協力
私(I)と貴方(YOU)の相互扶助目的に


農協愛友会会長 前田千尋
農協愛友会会長
前田千尋

 農協愛友会は、平成19年10月25日に創立50周年の記念の日を迎えます。
 会員・会友の皆様、賛助諸会員の皆様、と共にこの喜びを共有できますことは誠に喜ばしい限りであります。当会がこの記念の日を迎えられたのは偏に、これまで50年の間、時代は移りましても変わることなく示された会員・会友の皆様からの惜しみないご協力と、農協中央諸機関はじめ各賛助会員の皆様からの温かいご支援によるものであります。ここに、心から感謝の意を表しますと共に厚く御礼を申しあげます。
 さて、当会は、昭和32年10月25日、東京丸の内の工業倶楽部において創立総会を開き産声を上げました。総会には21団体33名の方々が出席され、宮城孝治氏(創立準備委員代表世話人、共栄火災海上保険相互会社社長)司会のもと、議長・西沢文雄東亜農薬社長から創立趣旨、事業方針、会員資格等の申し合わせ(規約)が諮られ、満場一致を以って承認されて創立されたと記録されております。
 申し合わせによると創立の趣旨は、会員相互の理解と協力研鑽、親睦を深め発展を図ること、そして農協中央機関と常に密接かつ有機的な連携を保持し、農協運動の発展に寄与することが目的と謳われております。
 会員は農協中央機関と出資・融資等取引において親密な関係にある団体・事業法人によって構成され、会友は当会役員・会員役員OBおよび農協中央機関OBの方々で構成すると定められ今日に至っております。
 評伝『宮城孝治虹の航跡』によれば、農協愛友会なる名称は全中会長荷見安氏の命名によると記されており、また、総会当日の参集諸氏の語らいのなかで宮城社長は荷見会長に対して名称の意とするところ「アイ(I)とユウ(YOU)の相互扶助」と応じたと書き添えられております。宮城氏は、創立以来、昭和60年2月に逝去されるまで28年間、即ち当会の黎明期から安定期に到るまでの間、会長としてその意とするところ身を以って実践されたのであります。現在、当会の事務局は共栄火災海上保険鞄烽ノおかれ、同杜関係セクション挙げてのサポートの中で運営されております。
 当会の会員数は、目下のところ93会員でありますが、10年ほど前のピーク時には125会員を擁した時期がありました。これには、農協中央機関関連会員の一部における経営の整理統廃合、一般事業法人にあっては失われた10年と称される長期不況下での経営の合理化・効率化、加えて農協中央機関との取引面で相互希求関係の希薄化等が影響したものと思われます。
 一方、会友は150余名を数え毎年増加傾向を辿っております。
 当会の主な行事は、年頭の賀詞交歓会、春の総会・記念講演会・懇親パーティ、春秋の工場見学会・農協中央機関首脳部との意見交換会、秋季の体育会(ゴルフコンペ)であります。賀詞交歓会並び、総会後の行事には、賛助会員の現役幹部諸氏にもご参加いただき親睦を深めております。
 会の運営は会長はじめ約30名で構成されております世話人会が担っております。年3回定例的に会合を持ち、当会の運営情況、農協運動の展望、会員・会友の情勢等についての意見・情報の交換を行い、円滑な会運営に努めております。
 ポスト50周年は、早々に新規会員の増強策、行事企画の見直し等、当面の課題えの取り組みを迫られておりますが、より高い成熟を目指すとの気概をもって臨む所存であります。
 会員・会友並びに賛助会員各位におかれましては引続きより一層のご協力、ご支援を賜りますようお願い申しあげ挨拶といたします。
  追記
 『農協愛友会と共に生きた』と評するに相応しい谷碧さん(第3代会長、名誉顧問、本年6月14日逝去、享年95歳)がこの記念すべき日に居られないのが残念でなりません。

農協愛友会と農協をめぐる50年


歴  代   会  長
宮城孝治氏 窪田角一氏 谷 碧氏 鈴木常正氏 赤羽昭二氏
宮城孝治氏
窪田角一氏
谷 碧氏
鈴木常正氏
赤羽昭二氏

愛友会小史

歴会長・表

 本会の創立総会資料として、設立の趣意書があるが、それを見ると――「今日の農協は、その外部に多くの姉妹組織を持っています。このことは農協組織がより大きな発展を遂げるために、姉妹組織の協力を必要としている自然の姿かと思います。(中略)この姉妹組織の連携を強化し、相互理解を深め、常時母体の農協組織と有機的な接触を保持してゆくことは極めて意義深いことと信じます。
 この目的のために『農協愛友会』を設立いたします」とある。
 規約の一部を抜粋すると
 (1) 事務局 共栄火災ビル内
 (2) 事業 総会の開催。会員間の親睦を図る。
     その他目的に沿う諸事業の実施。
 (3) 会員 農協関係の会社および団体等。
   会友 本会役員、会員役員OB、農協中央機関OBで本会に貢献のあった者。
 昭和30年の経済白書の副題は「もはや戦後ではない」と謳い、翌年日本は国連に加盟し、念願の国際社会入りを果たしている。
 そういった中で、農協も勃興期に向かい、補完事業も発展途上にあり、系統団体、関連企業の間に「共存同栄に資する会」を持とうという気運が自発的に芽生えた。
 その実現には共栄火災社長宮城孝治が推進力となって、当時の全中会長荷見安を始め、中央諸団体、関連企業等の賛同のもと、昭和32年10月25日に目出度く本会が誕生した。
 「農協愛友会」の名付け親は、荷見安で、「愛(アイ、I)と友(ユー、YOU)の相互扶助」の気持ちを秘めている。
 初代会長は宮城孝治で、表1に見るように現会長の前田千尋は6代目である。
 平成18年度末の会員は93、会友は150名を数える。
 具体的な活動状況としては、年間を通じて新春賀詞交換会、総会、講演会、親睦パーティー、工場・研究施設等見学会、体育会(ゴルフコンペ)を開催しており、それらを通じて、系統団体と関連企業などとの間で忌憚のない意見交換も行われている。

半世紀の推移

 昭和32年から半世紀に及ぶ時代の推移を5年刻みで示したのが表2である。
 まず「景気動向」を見ると好不況が交互に現れている。次に農業および農協に関係の深い特記事項を示した。
 (1)から(12)までは、一般的な経済事象、農業および総合農協に関連した統計数字を列記した。
 半世紀の間に(6)国内総生産、(6)農業総産出額、(9)(12)の総合農協諸事業は大幅に延びている。ただし一方で(3)の消費者物価指数を見ると、この間5倍強も値上がりしているのでこれらの諸数字も実質での倍率は、5分の1程度に縮めて見る必要があろう。
 ただし同じ期間、国内企業物価(旧卸売物価)指数のほうの上昇率は2倍弱にとどまっているという具合で両者間はかなり跛行状態にある。
 (2)対ドル円相場は、戦後長く続いた1ドル360円の固定相場が、46年から変動相場制に転じ、52年には「円高不況」となった。
 (4)国内総生産中の第一次産業の比率、(5)穀物自給率、(7)農業総産出額における米の比率と軒並み大幅に落ち込んでおり、産業界にあっての「農業」、有事の際の「安全性」そして主穀としての「米」の地位の低下を如実に物語っている。
 (8)総合農協数は36年の農協合併助成法の制定を契機に、半世紀の間に10分の1以下にまで著しく減じているが、なお合併による大型化がすすめられている。

共存同栄を果たすために

 以上で明らかなように、愛友会が設立された昭和32年から現在までの間に、農協および姉妹関係にある団体、企業を取り巻く環境は「変化」というより「激変」している。
 この難局を乗り越え、お互いに「共存同栄」を果たすため、創立50周年を迎えるにあたり新たな展開が求められる。(阿部信彦記)

農協愛友会趣旨書 〈昭和32.10.25.創立総会資料から〉

 農協運動が農業の民主化とその近代化のための中心勢力として、発展を遂げつつあることは誠に慶賀に堪えないところです。
 今日の農協は、その外郭に多くの姉妹組織を持っています。このことは農協組織がより大きな発展を遂げるために、姉妹組織の協力を必要としている自然の姿かと思います。姉妹組織も又、農協への奇与を至上の念願として、組織形態こそ異なっても、この目的を一にして、日常業務の推進に精根をつくしているところです。
 これを別の言葉に要約すれは、日本の農協組織は、農協それ自身の組織機構と、姉妹組織とを含めて形成されているといっても過言ではないと思います。
 この姉妹組織間の連携を強化し、相互理解を深め、常時母体の農協組織と有機的な接触を保持してゆくことは極めて意義深いことと信じます。
 この目的のために農協愛友会を設立いたします。


会員および代表者芳名(平成十九年十月一日現在・五十音順)

(社)家の光協会  会長 江原正視
(株)家の光出版総合サービス  代表取締役社長 園田成彬
家の光製本梱包(株)  代表取締役社長 鈴木 寛
イハラケミカル工業(株)  代表取締役社長 望月信彦
(株)エーコープライン  代表取締役社長 古川泰典
(株)永幸社  代表取締役社長 石隈 勝
(株)えいらく  代表取締役社長 猪木 哲雄
及川法律事務所  弁護士 及川信夫
(株)科学飼料研究所  代表取締役社長 涌嶋英之
共栄火災海上保険(株)  代表取締役社長 田村 駿
共栄火災しんらい生命保険(株)  代表取締役社長 堂本正樹
共栄火災損害調査(株)  代表取締役 齋籐和雄
共栄火災オフィスサービス(株)  代表取締役社長 中野剛秀
(株)共栄セイフティ・ライフ・システムズ  代表取締役社長 内山敏光
(財)協同組合経営研究所  理事長 薄井 寛
(株)協同組合通信社  社長  大貫喜久子
協同住宅ローン(株)  代表取締役社長 堀田 充
(株)協同セミナー  代表取締役理事長 越智正也
(株)協同宣伝  代表取締役社長 池田 充
協同乳業(株)  代表取締役社長 山崎直昭
協同ビジネスサービス(株)  代表取締役社長 山本章夫
協同薬品工業(株)  代表取締役社長 横澤寿彦
協同リース(株)  代表取締役社長 森戸慎也
協友アグリ(株)  代表取締役社長 小高根利明
クミアイ化学工業(株)  代表取締役社長 望月信彦
くみあい飼料工場会  会長理事 藤城泰博
(株)組合貿易  代表取締役社長 磯 良雄
クミアイ油脂(株)  代表取締役社長 犬飼政喜
組合林業(株)  代表取締役社長 井出 強
系統債権管理回収機構(株)  代表取締役社長 吉岡光義
コープケミカル(株)  代表取締役社長 三浦 政義
コープ食品(株)  代表取締役社長 大本 保
コープビル管理会  理事長 谷正伸
甲子信用組合  組合長 牟田収作
(財)蔵王酪農センター  理事長 駒口 盛
(株)三幸社  代表取締役社長 池田宏治
(株)白子  代表取締役会長 町田昌彦
(株)ジェイエイ・エルピーガス情報センター  代表取締役社長 松永公平
(社)JA総合研究所  理事長 薄井 寛
JAビル管理会  理事長 宮田 勇
JA共済損害調査(株)  代表取締役社長 竹内清隆
(株)全国農協共済福祉事業団  代表取締役社長 山本章夫
全国農協食品(株)  代表取締役社長 宮垣和正
(株)全国農協設計  代表取締役社長 高田彰二
(財)全国農業協同組合役職員共済会  会長理事 阿川一
(社)全国農協保証センター  理事長 開田 和
全国農林年金受給者連盟 会長 米澤龍治
全農エネルギー(株)  代表取締役社長 小澤芳夫
全農グリーンリソース(株)  代表取締役社長 藤村征夫
JA全農たまご(株)  代表取締役社長 都能正紀
全農サイロ(株)  代表取締役社長 大野健三
(株)全農青果サービス  代表取締役社長 森口 俊
全農チキンフーズ(株)  代表取締役社長 緒方康久
全農パールライス東日本(株)  代表取締役社長 江郷 明
(株)全農ハイパック  代表取締役社長 岩村好伸
(株)全農ビジネスサポート  代表取締役社長 萬 靖義
JA全農ミートフーズ(株)  代表取締役社長 岩佐肇三
(株)ソエジマ  代表取締役社長 副島啓治
宝ホールディングス(株)  代表取締役社長 大宮 久
大新東(株)  代表取締役社長 玉山雅之
(株)中央コンピュータシステム  代表取締役社長 佐野澄雄
(社)中央酪農会議   会長理事 宮田 勇
三菱UFJ証券(株)  取締役社長 青木広久
東海興業(株)  代表取締役社長 榎原耕造
東洋熱工業(株)  代表取締役社長 野末 尚
永井印刷工業(株)  代表取締役社長 永井直裕
日産化学工業(株)  代表取締役社長 藤本修一郎
日本農業新聞(株)  代表取締役会長 安田壽男
日本ミルクコミュニティ(株)  代表取締役社長 小原 實
(株)年金弘済会  代表取締役社長 岡 文男
(株)農林年金福利厚生サービス  代表取締役社長 田原栄二
(株)農協観光  代表取締役社長 田辺 豊
(社)農協共済総合研究所  理事長 田原文夫
農協共済ビルヂング(株)  代表取締役社長 山本章夫
(社)農協流通研究所  理事長 三村浩昭
(社)農山漁村文化協会  会長理事 濱口義曠
農中情報システム(株)  代表取締役社長 渡辺芳谷
農中信託銀行(株)  代表取締役社長 安田義則
農中ビジネスサポート(株)  代表取締役社長 岸 浩吉
(社)農林水産航空協会  会長 関口洋一
農林中金全共連アセットマネジメント(株)  代表取締役社長 畠 善行
(株)農林中金総合研究所  代表取締役社長 大多和巌
(株)パストラル  代表取締役社長 宮崎賢二郎
(株)ヒューテックノオリン  代表取締役社長 松田靫夫
(株)フジタ  代表取締役社長 網本勝彌
北海道糖業(株)  代表取締役社長 高柳康夫
ホーチキ(株)  代表取締役社長 藤本二郎
ボーソー油脂(株)  代表取締役社長 垂水龍介
御宿法律事務所  弁護士 御宿 義
山印醸造(株)  代表取締役社長 柳沢英治
雪印乳業(株)  代表取締役社長 高野瀬忠明
リズム開発(株)  代表取締役社長 南雲良介
リズム時計工業(株)  代表取締役社長 大川康寛

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(2007.10.30)

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