北興化学工業(株)(丸山孝雄社長、本社:東京都中央区)の第58期(平成18年12月1日〜19年11月 30日)の連結決算がこのほどまとまった。売上高、営業利益、経常利益ともに前期比で伸長した。国内農薬の水稲用除草剤などが、これに貢献した。
当期売上高は456億4700万円(前期比6.4%増)に伸長し、営業利益7億3200万円(同99.8%増)、経常利益5億9400万円(同125.4%増)、当期純利益7億8100万円(前期は、5億4000万円の当期純損失)となった(グラフ1〜3、表参照)。
ファインケミカル事業の主力である農薬の国内販売は、流通在庫の増加やポジティブリスト制度などの影響を受け全般的に落ち込んだが、当期より市場投入した「ホームランキング」などの水稲用一発処理除草剤が顕著な動きを示したことから、前期を若干上回った。
また、海外販売は、積極的に市場開拓を展開した東南アジアや中南米で「カスミン」関連剤を中心とした殺菌剤の販売が拡大し、売上高は前期を大幅に上回った。当部門の売上高は、312億400万円(同1.5%増)。
一方、農薬以外のファインケミカル製品の販売は、海外製品との価格競争にもまれたが、グループの主力製品である電子材料関連原料、防汚剤、樹脂添加剤、自動車排ガス浄化用触媒原料などが大きく伸長した。当部門の売上高は、142億2400万円(同19.4%増)。
なお、同社では、新規剤の開発を加速させており、水稲用一発除草剤「エーワン1キロ粒剤・フロアブル・ジャンボ」、非選択性茎葉処理除草剤「ザクサ液剤」、園芸用殺虫剤、園芸用殺菌剤などが注目されている。
また、新規独自開発の水稲用除草剤(試験番号:「HOK−201」)の姿も見えてきた。
さらに、新規事業としての微生物発酵技術、植物組織培養技術を活用した付加価値の高い製品開発も着実に進んでおり、今後期待されるところだ。