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【クミアイ化学工業】
除草剤「Cadet」を米国で展開

海外農薬事業をいっそう強化・拡大

 クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長、本社:東京都台東区)はこのほど、自社開発...

 クミアイ化学工業(株)(望月信彦社長、本社:東京都台東区)はこのほど、自社開発のフルチアセットメチル(コード名:KIH−9201)を有効成分とした除草剤「Cadet(カデット)」を、米国のトウモロコシ・大豆地帯向けに総合化学品会社のエフエムシー社(米国・ペンシルバニア州)を通じて販売開始した。
 フルチアセットメチルは、クミアイ化学グループで合成したチアジアゾール系の化合物で、プロトックス阻害型の除草剤(注)に位置づけられる。
 米国では棉用落葉剤として、ケムチュラ社を通じて既に販売されているが、今シーズンからトウモロコシ・大豆用茎葉処理除草剤として、この分野で強い販売力をもつエフエムシー社を起用し販売展開に至った。
 本剤はトウモロコシ、大豆に選択性を有し、米国の主な栽培地帯で防除の難しいイチビなどの広葉雑草に対して、低薬量で即効的に高い防除効果を示す。
 近年、この分野では抵抗性雑草が一部で問題となり、その拡大が懸念されているが、これら抵抗性雑草に対する対策剤としても利用が可能であり、農家に新たな防除手段を提供することになる。
 同社では、「エフエムシー社と共同のもとに果敢に本剤の普及・販売を行い、農家経営に寄与する基幹資材としての早期育成を目指す」(国際開発部)とともに、今後も「自社開発の積極的な海外展開をはかり、海外農薬事業のいっそうの強化・拡大」(同)を進めていく。
 (注)プロトックス阻害型除草剤 光要求型除草剤の1つに分類される。植物固有の代謝系であるクロロフィル生合成経路中の酵素であるプロトポルフィリノーゲン酸化酵素(プロトックス)を阻害し、その際蓄積する物質が引き金となり、光の存在下で生体膜の脂質などを酸化し、植物は正常な生命活動が営めず枯死に至る。

(2008.04.17)